2014年9月23日火曜日

パリのエレベーターに感動

フランスに出張した際のパリ市内のあるホテルでのエレベーターが秀逸だったので、紹介したい。

ここでは、デザインや走行性、等ではなく、ボタンを押して目的の階に止まるシステム(専門用語は知らないが、仮に「エレベーターの配車システム」と呼ぶ)、のことを述べる。

これは、たまたまあるホテルが採用しているだけのようなので、パリがすべてこのようになっているわけではない、と思う。


さて、使用法は、次の通り。



1)エレベーターは、並んで3基ある。A,B,Cと名前が付けられている。
2)乗りたい人は、写真に示した、パネルの前に行き、目的階を押す。すると、一瞬で、A,B,Cの記号が表示されるので、それを覚える。
3)2)で出てきた記号のエレベーターに乗ると、すでに押した目的階の数字のランプが光っており、その階に止まる。
4)エレベーター内には、目的階を押すボタンはない。開と閉のみ。

例えば、自分が3階に行きたければ、3を押した直後にBと出たら、Bのエレベーターに乗り込む。例えば、そのエレベーターには、他の客もいて、3、4、7階のみ止まる(私以外に、4階、7階に行きたい人が、Bと表示されて乗ってきた訳である)。



テンキーの所に、フランス語以外に英語でも表示があったので、問題は無かったが、初めはそれを読んでおらず、来たエレベーターに乗ったら自分の階に止まらずに、何度もやり直したことがあった。


一瞬、ホテルだから、セキュリティ上の観点で目的階以外に止まらないようにする配慮かなと思ったが、乗る前には自由に好きな階のボタンが押せるので、その意味は無い。


私の解釈では、エレベーターを制御するための合理的なシステムであると考えた。

普通のエレベーターで良くあるが、自分が1階から10階まで行きたいときに、スムーズに行けるときと、同乗者が途中の階で何度も降りたり、途中の階から何度も乗ってきたりすると、非常に時間がかかる。後から自由に選べることは、殆ど制御していないに等しい。もちろん、エレベーターに乗る際の配車システムは、エレベーターメーカー各社が工夫して練り上げられているが、それは乗るまでであって、乗ってからは無法地帯である。



このホテルの方法は、次のようなメリットがあると思う。(推定)

1)1つのエレベーターが、たくさんの階に止まらないように制限できる。よって、素早く目的階にたどり着ける。
2)別々の客でも、同じ階を選んでいる客には、同じ籠になるように目的階を集約している。
3)多分、降りる階に連動して、その階から乗る人も連動しており、トータルでも効率が良い。


デメリットとしては、次があろう。

1)慣れない人が来ると、作法を知らないので一度は失敗する。
 →1回しか使用しないような場所には不向きで、ホテルのように数回利用する場合は適する。
2)次々に客が訪れると、毎回ボタンを押すという作業があるので、混雑する。
 →操作パネルは、増やしても良いので、軽減できるはず。
3)2)とも関連するが、客が一度に同時に多数集まるような場所は、テンキーの渋滞や、テンキーが終わった人が交錯するので、ふさわしくないだろう。そもそもそういう場所にエレベーターを使うことは少ないので、問題は少ないだろう。
4)籠の中に嫌な客がいれば、自分が降りる際に、嫌がらせに全部の階を押してさっと逃げることができない(笑)。

++++++

エレベーター内に、目的階を押すボタンがなかったのは、目からうろこであった。なんと合理的なのだろうか。シンプルなシステムに、美を感じてしまう。



なお、別途私が提唱しているのは、満員のエレベーターをやり過ごして、次回を「予約するボタン」である。現状の問題点は、今の籠が満員になった(orなっていた)ので、その籠が次の階へと動き出さないと「上や下」ボタンを押せないことや、押すタイミングがちょっとでも早いと、改めてその満員の籠が開いてしまい、時間のロスと冷たい視線を浴びることである。誰か商品化して欲しい。公開しているので、特許はいらないということです(笑)

0 件のコメント:

コメントを投稿

ブログの移動(に近いもの)

表現活動の主体をnoteに移行しました。時間をかけた論考などはnoteに集約するようにします。こちらのブログはアーカイブとして残しますが、過去に力を入れた執筆したものは、再編集してnoteに投稿することもあります。 https://note.com/hayakazuh このブログ...