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2021年7月11日日曜日

段階的に学ぶ上で必要な情報

小学校の算数等で、かけ算の順序を巡っての、「キノコタケノコ論争」がなされている。私自身、教員のマイルールで行われているとしたらゆゆしきことでけしからんと思っていた口である。ただし、私が高専で橋梁工学や構造力学系の授業を教えるにあたって、そうも言っていられない状況に遭遇してきて、その感覚は揺らいでいた。そこに来て、腑に落ちる論考に出会った。ぱっと見て、単発の論考かと思ったら、サイト自体がそれに関して論考するもので、更新は頻繁ではないがきちんとしたエビデンスや実践を元にして、数年かけて今なお更新が続いている。作者に敬服する。

小数の筆算でゼロを消すことの意味「サイト:掛け算の順序をめぐって」

まだきちんと読み込めていない。私が揺らいできたといっても、2×3を、3×2にしているような類いが全て否定されるか、肯定されるか、という二元論ではないと思う。そのやり方を継続すべきもの、廃止すべきものには別れるように思うが、この思考を整理する中で私の方向性は提示したい。(よくある、多様性があるべきだからドッチモセイカイデスヨ、ではないということ)

さて、構造力学や橋梁工学を教える上で陥ること・悩みは次の通りか。

  • 初学者に対して、厳密な定義をしようとするとメチャクチャ長くなり、概念が掴めない。例外や適用範囲などを言い始めると、なんだかわからない。
    (イメージ:名前は「寿限無さん」でも「長助さん」でも何でも良いはずなのに、「寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末雲来末風来末食う寝る処に住む処藪ら柑子の藪柑子パイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助」と呼ぶことで話の腰が折られたり、いわゆる「話が入ってこない」状態になる)
  • 応用は全部理解してからで良い。別解を否定しないが、まずは学生がその道の定石を理解してそれを使いこなせるようになって物足りなくなってから、初めて別の解き方や表現ができれば十分ではないか。
  • しばしば、実務ではそう言わない、みたいな評価も受ける。


書きたいこと、私が今やっていることを整理して世の中に発信したいことは多数あるが、時間が無いのでここで一旦ストップし、継続的に更新していきたい。

こうやって書きかけのものを提示することには次のメリットがある

  • それについて情報を持っている人と繋がる機会ができる。
  • 一度思考を始めると、無意識のうちに思考を続けて、より思考が深まる/答えが「舞い降りてくる」ことが多い。(立花隆、ほか)

2020年8月23日日曜日

台風上陸の定義

 昔からおかしいと思っていたが、台風の中心位置だけをみて、その「点」の移動のみで「台風が上陸した」と報道するのは感覚にそぐわない。そもそも、台風の定義が、最大風速(10分間平均)がおよそ17m/sということなので、仮に、その風速をもつ部分を含む大きな丸い範囲が台風の大きさであり台風そのものだとすると、その部分に入ったところは全て上陸と言っていいはず。例えば、「徳島県に上陸した」と報道しているが、その時既に対岸の和歌山県にも暴風域に入り多くの雨を降らせているのは、実態にそぐわない情報伝達であり違和感を感じる。

 また、四国を通過して、海を越えて本州に入ったら、「再上陸」というのも感覚にそぐわない。瀬戸内海は陸ではないことはわかるが、では淡路島、もっと小さい島に住んでいる人は何なのか。そもそも、四国と本州をわけることの意味は? 「再」という語感からは、ゴジラが一度海に戻って、翌日に引き返して戻ってきたら再上陸でよいが、単に直線的に進んでいる場合には再上陸と呼ぶことは、言葉が受ける印象との乖離があると思う。2018年7月の迷走台風の時だけが「再上陸」使えるシチュエーションではないか。現在の使い方にこだわるとしたら、もしリアス式海岸をギリギリに通ったら、10回ぐらい再上陸というのか?
 排他的経済水域は余りにも広すぎて実感がないので、「領海」あたりであれば、上陸ではないが、ゴジラいや台風が日本に進入した、という実感が大きい。

 話(主語)を大きくしたくないが、本質的な内容よりもわかりやすい数値を採用したがるマスコミの科学リテラシーについては、色々な面で課題があると思う。
 気象報道に関連すると、気象台等の観測地点のピンポイントの最高温度更新の報道合戦も然り。もっと大事なのは実際の生活空間の実温度を報道すべきであろう。片手に持てる温湿度計を炎天下持ち出して、今気温が◆℃ですというのは科学的におかしく、日中に出していたプラスチックの温度計が熱せられて◆℃ですと伝えるべきである。

 普通の道路空間の温度と気象台発表気温との乖離がもたらす危険性、冷房のない学校の教室温度、28℃に設定してる役所のオフィス内は実は30℃を越えているけど設定温度を下げられない硬直性とか、誰も触れない甲子園のマウンドの温度とか、斬り込むところはいくらでもあると思うのだが。

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2018年8月23日のfacebookの投稿でオリジナル発表し今回加筆して掲載しました。

2020年6月13日土曜日

疑似信号を使う技術

電波時計は日本の2ヶ所の施設から出された電波を受けて時刻を補正するものである。ただし、その電波が室内では拾えないケースもある。我が家も、職場もそうだ。何か改善する方法はないかと調べてみると、ある。

電波時計の電波が受信できないときの裏技

同じ周波数の信号を出せばよいというものだ。実際に試していないが、この説明を見る限り、同じ周波数の音を出して、それを時計が拾うというものだ。ただし、微弱電波といえこれが室外に漏れてしまって良いのかというのは気になる。いたずらやテロにならないのだろうか。

GPS信号テロ、ということばも聞いたことはある。


そういうことは、約10年前の、日本でアナログテレビ放送が終わり地上波デジタル放送に切り替わる際に思った。古いテレビを使い続けるには別途外付チューナーが必要ということで、安価なチューナーを国をあげて開発するような話が出ていたように思う。

当時店頭などで調べた限りだが、そのチューナーというのは、地上デジタルを受信し、それをビデオ信号に変換してアナログテレビの外部入力を通じて映すものである。リモコンも2つ必要になるし、少なくとも外部入力機能が必要である。問題なのは、テレビを買い換えない人の中には、そもそもビデオ信号の外部信号を入力するものがない数十年使い続けている非常に古いテレビもあるということであったと思う。わざわざそういう装置を買い換えるよりも、そういうケースにおいては、新しいテレビを配った方が手っ取り早い、などの政治的な話もきいたことがある。

さて、そのとき思ったのだが、結局実現しなかったこと。次のようなチューナーがあっても良かったのではないか。

地上波デジタル信号
 ↓
チューナー内で以前のアナログテレビ信号に変換してアンテナ端子で出力(アナログの電波を流す)
 ↓旧型テレビには今まで通りアンテナ端子にアンテナケーブル接続する(差し替える)ことでこれまで同様にチャンネルを操作してテレビが見られる。

それであれば、いくら古いテレビでも今まで通りの操作性で見ることができる。数少ないケースのためにわざわざそういう機器開発はしないというのはわかるが、技術的には可能だとは思う。多くのチャンネルを同時に変換するには、安価な組み込みICでできるものなのか、ある程度の強力なコンピュータが必要なのだろうか(またはサーバーやワークステーション並みなのか)。

また、そういうことをすると、若干、機器からその周波数の電波が漏れるのは防げないので、アナログ停波をする目的に反するという話もあるのだとは思うが、程度の問題とは思うので技術的に解決はできないのだろうか。

もし、費用的、技術的には全く問題ないのだけれども、ただ唯一、その○○MHzの信号に変換するには放送免許が必要なので、法律上できない、という硬直的な理由だったら笑える。またはテレビ番組を受信して変換して出力するため、JASRACが集金に来る、という理由だったら(笑)。

さて、一般論に戻る。

そもそも、銀行統合におけるシステム統合というのも、ゼロから作るのではない場合には、単にインターフェースをソフトウェアで統合して、お互いに使われているデータ形式に変換してやりとりすれば、あたかも2つが繋がったように振る舞うのであって、考え方は上記と同じだろう。

OSとアプリケーションの話でも同じ。

映画「スピード」のバス内でのトリックもそうだ。

では、時計の時刻合わせの件だが、インターネットや家庭のwifiが普及していないときに登場したと思われる電波時計。これほど電波が拾いにくいのであれば、IP回線を利用した普通の時計というのは売られていないのだろうか。必ずしもIPでなくてもいい。wifiルータがある特定の周波数である信号を送るとか。はたまた、Bluetoothでスマホで定期的に通信をするとか。

と、素人がつらつら案を書いてみたものの、代替の個別技術は陳腐化するので、それこそ、IPアドレスを振ってIoTになれば全てがスマートに解決するのでそうなっていくのだろうかとは思う。

そういえば、昔のテレビは、テレビ内の時報の周波数を物理的に拾って毎時0分を調整していたのがあったと思う。凄い話だ。

ということでまとめると
・時計の時刻合わせは、電波時計以外にも色々な技術がありうるので想像するのも楽しい
・既存の方法に合うように振る舞う信号などを入力することにより、その機器を延命したり、新しく甦らせることは可能だし、実は社会で広く使われている

思考の整理シリーズでした。

ブログの移動(に近いもの)

表現活動の主体をnoteに移行しました。時間をかけた論考などはnoteに集約するようにします。こちらのブログはアーカイブとして残しますが、過去に力を入れた執筆したものは、再編集してnoteに投稿することもあります。 https://note.com/hayakazuh このブログ...