2020年6月13日土曜日

疑似信号を使う技術

電波時計は日本の2ヶ所の施設から出された電波を受けて時刻を補正するものである。ただし、その電波が室内では拾えないケースもある。我が家も、職場もそうだ。何か改善する方法はないかと調べてみると、ある。

電波時計の電波が受信できないときの裏技

同じ周波数の信号を出せばよいというものだ。実際に試していないが、この説明を見る限り、同じ周波数の音を出して、それを時計が拾うというものだ。ただし、微弱電波といえこれが室外に漏れてしまって良いのかというのは気になる。いたずらやテロにならないのだろうか。

GPS信号テロ、ということばも聞いたことはある。


そういうことは、約10年前の、日本でアナログテレビ放送が終わり地上波デジタル放送に切り替わる際に思った。古いテレビを使い続けるには別途外付チューナーが必要ということで、安価なチューナーを国をあげて開発するような話が出ていたように思う。

当時店頭などで調べた限りだが、そのチューナーというのは、地上デジタルを受信し、それをビデオ信号に変換してアナログテレビの外部入力を通じて映すものである。リモコンも2つ必要になるし、少なくとも外部入力機能が必要である。問題なのは、テレビを買い換えない人の中には、そもそもビデオ信号の外部信号を入力するものがない数十年使い続けている非常に古いテレビもあるということであったと思う。わざわざそういう装置を買い換えるよりも、そういうケースにおいては、新しいテレビを配った方が手っ取り早い、などの政治的な話もきいたことがある。

さて、そのとき思ったのだが、結局実現しなかったこと。次のようなチューナーがあっても良かったのではないか。

地上波デジタル信号
 ↓
チューナー内で以前のアナログテレビ信号に変換してアンテナ端子で出力(アナログの電波を流す)
 ↓旧型テレビには今まで通りアンテナ端子にアンテナケーブル接続する(差し替える)ことでこれまで同様にチャンネルを操作してテレビが見られる。

それであれば、いくら古いテレビでも今まで通りの操作性で見ることができる。数少ないケースのためにわざわざそういう機器開発はしないというのはわかるが、技術的には可能だとは思う。多くのチャンネルを同時に変換するには、安価な組み込みICでできるものなのか、ある程度の強力なコンピュータが必要なのだろうか(またはサーバーやワークステーション並みなのか)。

また、そういうことをすると、若干、機器からその周波数の電波が漏れるのは防げないので、アナログ停波をする目的に反するという話もあるのだとは思うが、程度の問題とは思うので技術的に解決はできないのだろうか。

もし、費用的、技術的には全く問題ないのだけれども、ただ唯一、その○○MHzの信号に変換するには放送免許が必要なので、法律上できない、という硬直的な理由だったら笑える。またはテレビ番組を受信して変換して出力するため、JASRACが集金に来る、という理由だったら(笑)。

さて、一般論に戻る。

そもそも、銀行統合におけるシステム統合というのも、ゼロから作るのではない場合には、単にインターフェースをソフトウェアで統合して、お互いに使われているデータ形式に変換してやりとりすれば、あたかも2つが繋がったように振る舞うのであって、考え方は上記と同じだろう。

OSとアプリケーションの話でも同じ。

映画「スピード」のバス内でのトリックもそうだ。

では、時計の時刻合わせの件だが、インターネットや家庭のwifiが普及していないときに登場したと思われる電波時計。これほど電波が拾いにくいのであれば、IP回線を利用した普通の時計というのは売られていないのだろうか。必ずしもIPでなくてもいい。wifiルータがある特定の周波数である信号を送るとか。はたまた、Bluetoothでスマホで定期的に通信をするとか。

と、素人がつらつら案を書いてみたものの、代替の個別技術は陳腐化するので、それこそ、IPアドレスを振ってIoTになれば全てがスマートに解決するのでそうなっていくのだろうかとは思う。

そういえば、昔のテレビは、テレビ内の時報の周波数を物理的に拾って毎時0分を調整していたのがあったと思う。凄い話だ。

ということでまとめると
・時計の時刻合わせは、電波時計以外にも色々な技術がありうるので想像するのも楽しい
・既存の方法に合うように振る舞う信号などを入力することにより、その機器を延命したり、新しく甦らせることは可能だし、実は社会で広く使われている

思考の整理シリーズでした。

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