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2020年12月28日月曜日

Texによる数式入力環境を整える

Windows環境、Wordで論文を書き、PowerPointでプレゼンをする。数式をどうやって入力するのかが課題であった。Wordの2000年初頭までは附属の数式エディタでそこそこ軽快に数式入力をしたり、フォントを整えたりできたと思うが、今のWord2019環境では、デフォルトのフォントも変わり、さらに、フォント変更が一手間必要だったりとにかく思い通りに動いてくれない。Officeの最新版ではTeX入力もできるという情報もあったがよくわからないまま今に至っている。

特に今年からオンライン授業を行ったことをきっかけに、授業形態を板書からスライドへ大きく移行することになり、数式を大量に扱う必要が出てきたことが、それ以前との相違点である。

Windows環境の傍ら、今年から iPad Pro + ApplePencil2 も使うようになってきたので、それも含めて何か良い方法を確立したかった。要求性能をまとめると以下の通り。

  • 数式の再利用(再利用しての修正)ができること。
  • 最終的に、WindowsのOfficeへメタファイル等で入れることができること(背景が透過であれば、ファイル形式は他でも良い)
  • 方法は、Windowsのアプリ、iPad+ApplePencil、ウェブサービスのどれでも良いが、永続性のあるもの。

色々探してみたが、結局落ち着いたのが、TeX環境であり、 pptTeX という、TeX環境をパワーポイント上から利用できるツールである。

インストールに関しては、著者のサイト(http://naitaku.github.io/pptTeX/)に書いてある通り実行すればよいのだが、最低限のことしか書かれていない。パラメーターなどは、他のサイト(例えば、https://qiita.com/kzkadc/items/7c32d1633e7093461128)を参考にすればよい。

ただし、うまくいかなかった。インストールがうまくいっていないのか、環境設定が悪いのか、OSの64bitとアプリの32bit環境の混在なのか、よくわからなかった。原因究明に2日間(2020/12/20~2020/12/28)、計6時間ぐらい費やしたと思うが、結果としてはこちらのサイトに書かれている通り(https://armik.hatenablog.jp/entry/2020/06/16/213026)、GhostScriptのバージョンが新しすぎたためであった。

不具合の内容としては、パワーポイントに挿入された画像には、「×この画像は表示できません。」と書かれた枠だけが挿入されていた。作業フォルダを見ると、本来挿入されるべき

 tmp.emf ファイルが空(0kB)で、

 tmp.eps ファイルは無事作成されていた(pdfに変換すると、数式はできている)。

最後のepsファイルをemfファイルに変換することができていないようだった。

ということで、上記の通り、先人によって動作確認されている 古いバージョンのGhostscript 9.26をインストールしなおして、動かすことができた。32bitか64bitかについては、Windows10は64bit、Ghostscript他必要なインストールは、32bit環境とした(試行錯誤しているときには、色々変えたりしていたが、今回先に32bitで動いたのでそれでストップしただけ)。

環境設定は次の通り、

C:\texlive\2020\bin\win32\platex.exe

C:\texlive\2020\bin\win32\dvips.exe

C:\Program Files (x86)\pstoedit\pstoedit.exe

C:\Users\xxxxx\AppData\Local\Temp\pptTeX

xxxxxは自分のログオン名


インストールに際しては、(途中うまくいかなかったときに)TeXインストーラ3(W32TeX環境)なども試してみたが(消していない)、結局上記の通り単体でインストールして、環境設定をしている。


成果は次の通り。

とりあえずは、Wordで使用する場合には、PowerPointで数式を作り、その画像をWordへコピーして使うこととする。

なお、Δは、True Typeフォントでは文字化けしたので、Outlineとしたが、TrueTypeフォントを標準として、文字化けするときだけOutlineにすればよいという感じでいる。ソフトの使い込みは今後の課題とする。

しばらく使ってみての追記(12/30):
  1. TrueTypeフォントとすると拡大しても綺麗なのだが、パワーポイントファイルを配布したとしたら先方で数式フォントがないと文字化けやレイアウトがずれることがわかった。よって、パワーポイント貼付に関しては、Outline(画像化)で対応するのが無難である。
  2. Outline化していても、再編集ができるのが素晴らしい。
  3. 数式フォントも多数フリーのものがあり、変更できるようであるが、まだよくわかっていない。
  4. 日本語の混在は不可。パワーポイント内に画像として数式を挿入する使い方なので、日本語と分けることで対応ができるのでその点は問題ない(~である、という風に少し日本語を交ぜたいときに面倒であるが、致命的な欠点ではない)。ただ、専門分野で頻繁に使用する記号は単語登録しておき瞬時に出せればと思ったが、使用するエディタ内では日本語入力が不可になっており、その変換入力ができないことが少し残念。ただしこの指摘は、ソフトの使用を諦めるほどのデメリットではない。
  5. 同業他社ソフトとしては、IguanaTeXというのがあり、最近のバージョンでは日本語も扱えるという情報を得た。ただし、情報が少ない(情報が多いのが、日本語にネイティブで対応する以前のカスタマイズ情報等)のでよくわからない。今後の課題とする。



2020年6月14日日曜日

「コンクリー党」結党のお知らせ

facebook内では公開投稿として発言はしているが、やはりパスワードや会員限定になっていないインターネット上へ情報が載らなければ、検索にも引っかからないし、引用もされない。ということで、必要なものはこちらへ移植したい。

立場上、政治の話は避けてきたが、こちらの党は宣伝させてもらいたい。

「コンクリー党」(2014年7月9日 結党)






写真は2014年7月9日に開催した、日本コンクリート工学会(JCI)コンクリート工学年次大会in高松 での若手会懇親会参加者へのお土産として作ったもの。

そのときの募集案内はこちらにアーカイブ【リンクをクリック】している(事後は会計報告のみで、当日の写真などはなし)。40歳以下の会であるが、敷居を下げて参加してもらいやすくするために、6段階の料金設定をした。ぎりぎりの運営であった。

香川県丸亀市は、国産うちわのシェア9割。丸亀うちわ、のブランドで知られる。これを約100名の参加者のお土産に。しかも1人2本渡し、自分用と地元に帰ってコンクリートを愛する人に渡してねと。その結果、日本に200本流通しているはず。私の手元にはあと3本位しか残っていない。

学会の開催間近にお土産を渡すことを思い付き、7月の暑い時期にお土産、地元、ということでオリジナルうちわを思い付いた。業者へ問い合わせると、予算と納期的に可能なのは既製品の柄のみで、フォント指定はお任せで文字のみの印刷ができること。印刷工程ギリギリだったため、プリントする文字をすぐ決めてもらわないといけないとのことで、5分くらいでえいやっと考えたもの。

「コンクリー党」という文字は、googleで検索した限り、当時はなかったように思う。全ては検索できないので、ベルギーの劇場に酷似した名前があったかも知らない。ブログ執筆時の今検索すると、2014年7月29日のツイッター投稿で他人によるそのことばを含むがあるが日付的にギリギリ私の方が早い。

本気で誤解を受けると困るので、もちろんこれは政治活動でなく、ノリでやっていることだが、ある程度フランクに心に残る活動のためにはネーミングも大事だと真面目に思っている。

同じコンセプトで、「理科・工学、構造・コンクリートなど、現在・過去・未来のエンジニアのためのフリー教材集『えんじにや』」も作り運営している(中身はまだ)。

ということで、一応、コンクリー党のオリジナル宣言をしておきます。重複している情報があればお寄せください。政党合流(連携)のご連絡もお待ちしています。

蛇足
・事実誤認があった。これはうちわでなく、円形で柄のついたチラシです。【意味がわからない人は、「うちわ、辞任」で検索】
・丸亀製麺は神戸市に本社を置く丸亀市とは全く関係な・・・・おっと誰か来たようだ。

2020年5月3日日曜日

Webカメラの代替ツールの検討

テレビ会議のためのWebカメラが不足している話が駆け巡っているが、それについて書きたい。

研究室では数千円のWebカメラを7年前に購入していたので問題ないが、自宅でもできる体制をと思うと1台欲しいが今は品薄で手に入りにくいので仕方がない。

私は自宅の仕事にPanasonicのLet’s note CF-MX5を使っているが、画面が小さいため、外付けモニタに出力してノートPCの画面は消している。PCの設置位置もアームで浮かせたモニタの下に置いているため、カメラ部分が隠れてしまっている。下記の写真の通り。



ちなみに、最近のノートPCの内蔵カメラは結構綺麗で、と思っていたら、この機種はfull HD出力のスペックではあるが残念ながらもやがかかったようにピントも甘く、感度も低かった。余り使えないなぁと。

それともうひとつ死活問題なのは、我々は教員として遠隔授業をする必要があり、そのためのコンテンツを作るために、手軽に向きが変えられるカメラが欲しいのである。現時点の遠隔授業形態では、黒板の前に立ってそれを録画するいうことは私はしないが(している先生もいる)、実験の様子や手作りした力学模型を表示することを想定している。


他のツールで代替できないかなと思っていたら、案の上、その道に詳しい人たちが集うPC Watchで紹介されていた。

まず1つめ。スマホをWebカメラとして使う方法である。
Webカメラが品切れでもOK? スマホをWebカメラとして使える「iVCam」を試してみた」詳細はリンク先のとおりであるが、そもそもiPhoneをはじめスマホのカメラは性能が良いので、これは使える。試用してみたところ、手元に古いiPhone6が2台余っているので、wifiでなくUSBケーブルで接続したところ、画質は全く問題ない。スマホに依存するがズームなどもできる。音声も使える(初期値は音声はoffのため設定でonにする必要あり)。




試用時にはiVcamのロゴが入ってしまうし、何か操作の度に広告が全画面表示されて(PC側のWebカメラには広告は入らない)煩雑なので、これを使うようになれば、1220円のアプリ購入は買いだと思っている。

他にも調べると、iVcam以外にも同じ趣旨のアプリは存在するようなのだが、決め手がよくわからない。今のところ、これにしようかなと思っているところである。

【後日談→実際iVcamのアプリを購入した。現役のiPhone、古いiPhone2台の計3台を同じAppleIDで運用しているので、一気に3台に増えた。問題ない。一瞬前面カメラが使えないと思ったら、解像度が後面カメラの解像度に設定されていると前面カメラは選べないようだった。自分の画像も確認できるので私は前面カメラが良い。フラッシュの常時点灯もできるので、色々とカスタマイズできる。さらにテレビ会議によっては、カメラの左右の入れ換え設定が(テレビ会議システム上から呼び出して)できないものがあるようで、このiVcamは、スマホ上やPC上のアプリから変えておけばそれがすぐに反映されるので良かった。買って良かったと思っている。】

ただ、もっと大事なのは、スマホを固定する装置を購入することである。なかなか安価で良いものはないが、私のお勧めは、100均で売っているスマホ三脚の上部の固定部分だけを使うのである。これの根元は、普通のカメラ三脚用のネジ孔になっているので、それを既存の丈夫な三脚に固定するのである。上記の写真は、昔に購入した、ペットボトルの蓋の上からはめこむ三脚ネジ。これと100均の上の部分に組み合わせている。


そこに来て、本命の情報を得て興奮している。
同じくPC Watchの「キヤノン機をWebカメラ化する「EOS Webcam Utility Beta」導入レポート
愛機Canon EOS Kiss X9がそのまま使える。すごいものを開発してくれました。嬉しすぎて、観音さまと拝みたい【←わからない人はスルーして下さい。キヤノンの語源が観音様からきているの言いたかった】

先ほど試用してみた。素晴らしい。テレビ会議上で写される映像は普段見るデジカメの写真と変わらないくらい細かい。三脚に固定すれば、色々な使い方ができる。



うちの学校は、Microsoft Teamsを使ってテレビ会議をしているので、そちらの画面で紹介する。

次が、レンズを望遠側にして、テレビ会議上に表示された画像。ただ、これはカメラから出てきた画像を表示させているだけで自分側の画面、実際にネットの向こうで見られる画像が精細かどうかまでは検証ができていない。威力はわかって戴けると思う。効果がわかるように、望遠200mmのとき。右手で「土木偉人かるた」を持ち、左手でPrintScreenを押して得た画像。



次に、一眼レフカメラとPC内蔵カメラの比較をしてみたい。Teamsの1人テレビ会議をして、画面を録画したものからとってきたものである。Teamsの録画は、自動的にデータ容量を落としているのでノイズが目立つが、それはカメラの性能とは関係ない。


↑ Canon EOS Kiss X9を接続した例

カメラのイメージをつかんでもらうため、ズームレンズの100mmぐらい(35mm換算で150mm程度)に設定して1.5mぐらい離れて撮影している。望遠寄りなので、背景が適度にボケている。

カメラがリアルタイムでオートフォーカス(ピント調整)をしてくれており、イメージとしてはビデオカメラが接続されていると思った方が良い。

毛穴まで見える解像度、と思う。実際、「土木偉人かるた」の「古市公威」のひげまで表現できている。

ただ、カメラの電池を食いそうである。電源接続のツールは持っていない(バッテリー1台を外付け充電器で充電)のため、実際に長時間使うときには追加購入が必要で考える必要が出てくる。バッテリーを1個追加で廻していくのが現実か。

次に、画質の比較として上記レッツノートCF-MX5である。元々、なぜか内蔵カメラがもやがかかったようなので、ノートPCカメラの代表格ではないのはわかるが、これしかないので比較する。ちなみに、同じぐらいの大きさにするには、カメラとの距離20cmであった。

焦点が合うので、後ろの壁まで見えると思う。背景をぼかす一眼レフと大違いだ。

↑ Panasonic CF-MX5の内蔵カメラの例

毛穴まで見えないし、先ほどはよく見えていたひげが見えない(笑)。

【実際に使ってみた。バッテリーがフルに充電できていない状態で4時間のzoom飲み会に突入した。1時間充電して1時間の駆動がやっとだった。バッテリーは、購入後2年経過したもの。会議で使う場合には確実な電源の確保か、バッテリー切れになったときの代替カメラを用意しておくと良い。私の場合、上述のスマホ+iVcamはスタンバイしていたので切り替えることができた。】


もうひとつ、ツールがあった。

以前から、書画カメラを研究費で購入し自分専用に使っていた。模型を使った授業や外部の講演で手元資料を写したいニーズは多数あるからだ。超小型で(土木偉人かるたの箱が大きいのでは決してない)、HDMI出力とアナログ出力があることを重視して買ったのである。ずっと頭にはなかったのだが、USBで接続してWebカメラとして扱えたのである【それを思い出させてくれた神戸高専の福井先生に感謝】。

エルモ社のモバイル書画カメラ MO-1
今は廃盤になって後継のMO-2であるが、エルモ社(リンク)では色々な種類を出している。安くないが、長く使えるツールなので、特に教育機関におられる方は是非個人所有されるのをお勧めする。


↑ エルモ MO-1(写真の収まりのために、アームを曲げている)

小型なのでこのままでは高さの制約がある気もするが、何か椅子のようなものの上に置けば高所から机の上の手元を写すなどができると思う。


他に、デジカメ、デジタルビデオカメラもそれぞれUSB端子があったので、時間があれば試して続報を追記したいと思う。

【→研究室で所有していた、SONYのハンディカムHDR-PH630Vは残念ながらUSB接続をしてもWebカメラとしては対応していなかった。】

ということで、ツールの紹介ばかりになってしまったが、大事なのはコンテンツ、どういう授業をするかである。これは試行錯誤しながらベストを尽くしたい。

実際にできた、という報告なので、オリジナルの記事を上回る情報は含まれていないが、全国で試行錯誤していると思われる大学・高専の先生方の何かの参考になれば。


宣伝で申し訳ないが、トランプの遊び方を開発したので、Stay at Home 用にこちらも参考に見ていただければ幸いです →トランプの遊び方を発明(リンク)

2018年2月12日月曜日

リスク回避の能力

交通の冗長性は必要で、それが平時だけでなく地震時、異常天候時のレジリエンスに繋がる。要は冗長性が高いほどリスクに強くなる。ここで言うリスクは拡張すると、会議が延びて出発が遅れたり、帰着が遅くなったり、迷子になったり(笑)も含む。

高松は、地方都市の中でも、交通の冗長性(代替選択制)は非常に高いと思っている。ラッキー、ではなく、私が転職をする際に、暗にそういうことは考えていたのである。交通インフラが冗長性が高いことに価値を見いだして、高松の地に転職してきた、と言ったら若干は盛っているが、あながち間違いではない。一番は高松出身というのがあるが、それを割り引いてもそう思う。

飛行機の便利なところは、所要時間が短いのはあるが、一度予約するとビジネスきっぷを除いて変更がしづらい所がデメリットである。ただし、そのデメリットを補うのが、先方での悪天候の際に条件付き運行になった際には全額払い戻しが選択できることにある。これで大部分は回避できる。
 ついでに言うと、当日購入の価格がべらぼうに高いことは、どうにかならないかと思う。プライベート利用である、身内の不幸の際に、急に飛ぶとなるときには、航空会社が鬼のように思えてくることもあった。その際には、お金なんて関係ないのでどうでも良いが、冷静に考えるとそう思う。正規料金がベースで、前日以前に早く買ったから安いのだ、という航空会社からの説明も、それは説明の仕方の違いだけであって、確率的な分布を見込んで料金設定がされているので、全体の重み付けの話である。スーパーの△割引を月25日間もやっている話に似ている。大事なのは、売上の比率であろう。
 国内便飛行機チケットの売り上げ状況(仮の推定)
  正規料金 35000円 5%
  1日前まで 25000円 30%
  21日前まで 18000円 30%
  45日前まで 13000円 25% 
  大幅割引 10000円 10%
 ホテルとセットのビジネスパック・ツアーパックもそれなりに多いと思うので、換算するともっと安い方にシフトするかもしれない。(高いので国内では少ないと思うが)ビジネス客が買う日付未設定のオープンチケットは、正規料金程度と思うが、わからないので仮に0とする。
 この件は、話がそれるので、論点を整理してまた別のトピックとして書こう。

新幹線の便利なところは、当日まで決めることができることや、東海道線の関ヶ原の雪の遅延を除くと比較的災害に強いことである。さらに、年間1000円程度でエクスプレス会員になると、オンラインで予約ができ、乗車変更が3ヶ月以内であれば何度でもできるというところを考えると、メイン利用だけでなく、飛行機が遅延時の代替手段としては有効である。窓口購入は、そもそも駅に着かないと購入できないことや、災害時には駅は大混雑なので、厳しいと思う。

デメリットは、長い乗車時間であるが、3人掛けの真ん中は厳しいが、それ以外は東京から岡山までは許容できると思う。東京から鹿児島までは厳しい。また、少なくとも高松便は、岡山行き終新幹線にマリンライナーが接続しているので、東京駅の高松行きの終新幹線が20時30分なのは、飛行機にはないメリットであり、特筆に値する。高松行便の最終は、20時頃であるが、余裕を見て東京駅は18時30分は出たいところだ。この2時間近くの差は大きい。また、上記のエクスプレス会員のオンライン予約であれば、比較的窓側がとれる(急な交通手段の変更を検討してから実際にJRみどりの窓口に到着できるまでの時間のタイムラグがあるため)ので、体力温存と電源確保としての新幹線は災害時には有効である。

14:25追記情報: 高松空港の条件付き運航の場合には、レベルが1~3とあるようで、少なくとも高松空港のカウンターでは教えてもらえるとの情報を失念しており、今回改めて指摘を受けて思い出したのでここに追記する(結果、n=2)。推定であるが、ほぼ100%が、周辺の濃霧で飛行機が「着陸」できるかが問題であり、それの裏返しとして、出発機材が確保できるか。私が知る限り、機材さえあれば濃霧でも始発便は高松空港が離陸できるので。ただ、このレベル情報が、高松空港外から電話等で知ることができるか、羽田空港カウンターで知ることができるか、についての情報も引き続き情報収集して蓄積したいと思う。


以下、私の判断事例を提示する。

1月9日の東京出張帰りのフライト。私のミスで羽田空港の定時に明らかに間に合わなかった。たまたま高松空港が雪のため、条件付き運行の案内が出たため、キャンセルが無料となった。よって、運が良く飛行機は全額払い戻しして、上記のオンライン予約で窓側の新幹線も予約ができて、新幹線で帰ってきた。確認したところ、私が乗る予定だった飛行機は、出発の遅延があったものの、無事着陸できている。

2月10日の東京出張帰りのフライト。13:30発のフライトであった。朝から、1時間おきに、条件付き運行の情報がメールできていた。メールが頻繁に来るもので、オオカミ少年のように麻痺して、最後の方は内容を読んでいなかった。通常の条件付き運行なら、まあ、大丈夫だろうと判断してしまっていた。浜松町でモノレールに乗ってから、改めてメールを見ると、ヤバいことに気づいた。天候調査中で、まだ見込みが立たないと。それで、以前のフライトを見ると、2つ前の便が、着陸できずに、高松空港の隣の徳島空港に降りたとの情報が。

この時点で、リスク回避のことが頭をよぎったものの、快速に乗ってしまったので、引き返すポイントが見えない。色々考えて、大井競馬場駅で降りて、逆向きのモノレールに乗換えようとした。すでに天候調査になっているので、確定する時間までにキャンセルすればよい。そのモノレール待ち時間の間、オンラインで、新幹線の窓側を予約できたので、新幹線に決めた。

っと思った瞬間、JALは天候調査を終え、私のフライトが、45分遅れで出発することが決定した。天候調査をした上で、あえて「やる」と判断したのは私の経験が無かったのもあり、これは行けるのではないか、と考えてしまった。新幹線は、再度乗車変更すれば、実質無料キャンセルと同じ扱いだし。

というのは、手荷物が多かったこと、疲れていたので、またこれから4時間以上掛けて陸路帰るのもなんとなくいやだなぁと思ったこと、自家用車を高松空港に停めていること、さらに、車の保険の満期が翌日なのでディーラーに行かなければならないこと(冷静に考えると、車をピックアップしていなくても大丈夫だが、言い訳の1つとして)という言い訳がどどっと私の中に押し寄せて、再度、空港に向かってしまった。

その後、チェックインして、さらに、フライトは延びて、結局65分遅れで14:35離陸となった。悪い予感が立ちこめる。私は飛行機をキャンセルできる手段があったが、選択しなかったのでモヤモヤしていた。満席だったので、他の人はどうしたんだろうと思ったが、元々ツアーやビジネスパックで買っていたら変更出来ないし、新幹線片道の18000円より安い価格で購入している人には、この程度の危機予想では差額の自腹を切って、わざわざ東京や品川駅に移動することまでは考えないだろう。細かくは覚えていないが、15:50頃に高松空港で1回目の着陸を試みるも、濃霧で真っ白で、急上昇の着陸回避。機長から、30分程度高松上空で待ってから、再度着陸を試みると。で、16:30過ぎか、再度試みるも全く同じで、結局、これから伊丹空港に向かいますと。伊丹空港着陸は、17:00を過ぎていたと思う。

着陸後は、地上係員の方が乗ってきて、今後の状況の説明や、JR無料引換券で、新幹線で岡山経由の高松まで戻ってもらう説明があり、書類をもらった。手荷物を預けていたのをピックアップして、17:30だったと思う。

ここまではJALの対応は完璧だったと思う。機長や客室乗務員の対応は問題なかったと思う。むしろ、リスク回避のために動いてくれた判断は尊敬している。さて、私は高松空港に車を停めていたので、そのピックアップのために、費用が発生するので「やわらかく」係員に尋ねたら、清算支払OKの旨の返答があり、カウンターで手続きして下さいと。これが悪夢の始まりだった。まず、先方から名前は控えられたが、私がその初回担当者を名前を聞かなかったのがまずかった。次に、向かった先のカウンターには行列で、かつ、多くが高松便の客で、困難な条件(ツアーや、レンタカー、キャンセル交渉)で、私の番が回ってきたのは30分ぐらいかかった。それから交渉したところ、色々(初回担当者と異なる対応をされたことに)頭にくることがあって、伊丹空港を解放されたのが、18:30。

それから指定された方法としてバスへ新大阪へ、JRで、高松に着いたのが22時。一度空港にタクシーで向かって、車もピックアップして家に着いたのが23時だった。


反省点は次の通りである。直接経費は余り問題ではなく、ロスした時間価値、疲労の方が大きい。結果としては、12時30分の時点で「強くヤバいな」と思った時点で、新幹線に切り替えて、その後の雑音に流されずに一貫して動くべきだった。

振り返ると、途中で判断がぶれたのが悔いの残ることであった。自分がしっかりしていないと、「なんとかバイアス」がはたらくのがよくわかった。

色々考えると、今の私にとって時間が取られることがつらい。自分の判断でJRに切り替えることによって、高松空港への自家用車のピックアップ料金などたかがしれているし、そもそも結果として当初の便で高松に着いていれば、18時頃には高松駅に辿り着いているので、安くリムジンバスにも乗れたし、そんなに致命的ではない。

判断ミス、戦術ミスであるが、自戒のために、次回のために、掲載しておく。

大事なのは、そういう動きをすることで、トータルのリスク回避の勝率を上げることだと思う。1つ1つの結果に流されては、全体を見失う。確率で考える必要がある。そうやって生き残る必要がある。地震の発生確率も引き上げられたし。


2017年8月26日土曜日

アナログ画面

金沢で充実したヒアリングを終えて、これから京都へ。明日の移動を短縮のためになるべく山口に近づきます。

金沢駅の銘店街から、JRに繋がる通路にあったのが、電車/新幹線の出発を表す電光掲示板。よく見ると普通のテレビ画像で、電光掲示板を撮影した映像を流しています。よく工夫してます。不要な部分に黒いテープが貼ってるのも、微笑ましい。予算の制約の中でのサービス提供ですね。




新山口駅で、ホーム外の待合室を見ると、同様のテレビ中継があった。JRではそれほど珍しいことでもないかもしれない。

(フェイスブックから転載、改変)

2017年8月16日水曜日

土砂災害救助の機材

ちょっと前の記述であるが、九州の豪雨災害についての資材提供募集の案内を見た。

http://asakurajc.com/2017/disasterresponse/support07/

土砂の除去など、復旧作業に何が必要かとなると、ある程度は思いつくが、痒いところに届く用具は一度経験してみないとわからないところもあるだろう。備蓄としても、非常に参考になる。

下のリンク写真のようなイラスト表示も非常にわかりやすい。


2017年4月27日木曜日

模型による授業

私の授業では、鉄筋コンクリート、橋梁など構造を扱うので、黒板のみでは理解しづらいと思い、できるだけ模型を作成して授業で使っている。

今年は、その模型もきちんと時間を掛けて再整理したいと思っている。

まず、2017年の新作、洗濯ばさみを利用した鉄筋コンクリート梁モデル。

  • 洗濯ばさみ同士は圧縮に強い(コンクリートの圧縮特性)
  • 隣り合う洗濯ばさみ同士は引張に抵抗しない(コンクリートの引張特性)
  • 短冊の紙は、引張に強いが、圧縮にはすぐに曲がる(鉄筋の特性)
  • 鉄筋を模擬した短冊の紙(鉄筋)を洗濯ばさみ(コンクリート)で挟むと、鉄筋とコンクリートがくっつく(付着力の再現)
  • さらに、その付着は、完全付着でなく外力がかかるとズルズルとズレることが可能である(付着の劣化の再現。荷重をかけすぎると横倒れするが)
ということで、この組み合わせで、梁の上に物を載せて耐えることができる。ただし、限度を超えると横倒れしてしまうので改善は必要。


次に、2017年にリニューアルしましたが、木材と丁番を使った鉄筋コンクリート梁モデル。

コンクリートには木材、鉄筋にはビニールテープを使用。このビニールテープ鉄筋のアイデアは、藤井俊逸氏のスポンジ梁で鉄筋をビニールテープで模擬した模型を参考にさせて戴いた。感謝申し上げる。
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/atcl/books/14/505364/091600001/


ビニールテープを外すと、南京玉すだれのようになる。調子に乗ると手を強打するので注意。




昨年度末、橋梁に作用する荷重を模型で表すアイデアを思いついたので、その単元に進む前に作りたい。

2014年2月11日火曜日

【作品No.4】引き出しと戸棚

このブログで、自作の木工家具類を紹介していましたが、公開はその3で止まっていました。正月休みに、ある1つを完成させました。実際にはその1「電話のコンセント付近に集まる、インターネットのモデム、パソコンのケーブル類がごちゃごちゃするのを解決する家具」 の継続ですが、一応これで完結です。

おさらいすると、マンション入居時の状態はこの写真のとおり。2013年3月の時点です。1枚の天板に、モデム類がごちゃごちゃ。




上部のケーブルを隠す家具は春に終わっていたので、下部の収納家具を冬休みに作製。

匠の技をご覧ください。(♪音楽♪)


 
 これが完成系。天板の下は、右側が扉2個、左が引出1個。左下が、既製のワインセラー。ワインセラーと天板のスペースを使って、作りました。


基本は、赤松の集成材ですが、透明のニス仕上げです。メリハリをつけるために、下部の前面は、ウォールナット(木の種類)にしたかったのですが、これだけの大きさで板を入手しようとすると軽く1万円を超えます。それだけウォールナットは高価です。それに、この板厚もすぐには見つからなかったので、同じ赤松で塗装でごまかすことにしました。

引出しは、落下しないように、ガイドレールにしています。



扉のちょうつがいは、普通の家具でも使われている、ばね式のものです。これも、初めて施工したのですが、簡単にできることを知りました。

全体的に、色々と穴が開いているのは、内部の電気製品(ワインセラー、モデム類)の熱を逃がすためです。内部の気流も考えて空間を設定するなど配慮しています。


ウォールナット風の塗装は、着色ニスにしたのですが、見事失敗。12月末の極寒の中でベランダで塗装すると、塗料の粘性が高すぎて、筆が伸びませんでした。結局凸凹になり、色も濃淡が出てしまいました。薄め液を入れて粘度を調整すべきでしたが、気づいた時にはすでに遅し。何度も削って塗りなおそうかと思いましたが、時間切れでとりあえず組み込みました。

ところが、このムラも結局は素人日曜大工の醍醐味で、しばらく使っていると愛着がわいてきました。慌てて直す必要もないということで、そのままにしています。

極寒の時の施工の注意点を胸に刻んだので、次は失敗しません。


時期を同じくして、年末に、子供が小さい時から使っている家具の工場を家族で見学に行くことにしました。 高知県にある なかよしライブラリー という会社です。

横浜にいた時から、高知のこの工房の家具が気に入り、子供用書架2つ、椅子、そして長女の学習机を買い足してきました。ヒノキの家具で、決して安くはないですが、一生ものです。一度作っている現場を見てみたいと思っていて、この冬に行ってきたのです。子供も、自分が使っている机やいすと同じものがここで作られているのを見て、理解できたようで、行ってよかったです。

ここの家具は、ニスではなく、オイル仕上げで、使えば使うほど味が出てきます。そして、年1度ぐらい、オイルで磨くと、さらに色に深みが出てきます。今年は、購入して初めてですが、大掃除のついでに、全ての家具を専用のオイルで磨いてみました。

別件で、自宅で表面吸水試験装置の試作品も組み立てており、暫定のケースを手元にあった木で作りました。たまたま、上記のオイルが手元にあったので、ニスは塗らず、オイルの2度仕上げにしてみました。結構風味が出ます。ニスは人工的なので、自然な風合いの出るオイル仕上げにはまりそうです。今、その試作した家具(装置)は、細田先生の留学しているフランスに行っています。

2013年12月5日木曜日

ミルフィーユ

私は甘いものは大好きですが、ミルフィーユは嫌いでした。というのは、絶対に綺麗に食べられないからです。きれいに食べられないのは食べるスキルが低いのかもしれないけれども、ほとんどの人が綺麗に食べられないものを、平気でおしゃれなスイーツとして闊歩しているのが私の性に合わなかったからです(すなわち、業界としてフィードバックがないのではないか、と)。

というのは過去の話で、今ではミルフィーユを尊敬しています。

パイとカスタードの層数は、数えるほどですが、実はパイ生地は何回も何回も折りたたんで、2のn乗倍にもなっています。無限と言ってよいほどの層の積み重ねが実は隠れています。


最近仕事をしてきて、いや、生きてきて思うのは、全てが積み重ねであることです。

私は表面吸水試験装置を開発して、現時点でそれなりの評価を頂いていますが、それで満足するつもりはありません。第二弾、第三弾と続く予定です。また、細かいだけでなく、現場での実験の計画と実施の力については、ある程度の自負はあります。学術的なところは今回はノーコメントとして、具体的には、現場で起こりうるトラブルへの対処などの力です。

さて、装置の製作や実験のアイデアについては、何を参考にしたのですか、と聞かれることが多いのですが、答えるのが難しいです。わからない、のではなく、ありすぎて言い切れない、という難しさです。一言でいえば、強い記憶のある、小学校のころからの経験全て、といものです。

脱線すると、昨日のニュースでは、オリンピック水泳メダリストの寺川綾は、「水泳が人生の一部でなく、全て」と語っていますが、通じるものがあります。(私より年下!)

理科の時間、算数の時間、技術家庭の時間、全てが糧になっています。放課後の道草、公園での秘密基地づくり、全てです。小学校の時に、自転車を分解組立したこと、父親の使わなくなった髭剃りを分解したときのことも鮮明に覚えているし、テレビ、ビデオの配線、家の水道蛇口の水漏れ対応、家族の引っ越しにまつわる経験、全てが今につながっています。


師の池田先生は、「人生は積分」とおっしゃっていたと思いますが、同じです。

土木の分野でやっていて一番大きいのは、高校の時に山岳部に入って、全ての荷物を背負って、その中で生き抜かねばならないという経験がありますが、それは、卵か鶏かであって、そういうのが好きだから山岳部を選んだのだと思います。もちろん、高松高校山岳部は感謝・尊敬しています。

文系の科目であっても、国語、歴史等、それをきちんと身に着けないと、今の社会、人とやりあって、人を引っ張っていくことはできません。

無駄な経験というのは、一切ないのです。

学生であれば、こんなの社会になったら使うの?と思い、社会人であったら、「こんなこと学校で習わなかった」、「学校で習ったことは役に立たない」と言います。学術的に、「ない」「関係ない」ことを証明するのは非常に難しいです。それを、そうやすやすと、なかったと言い切れるのが、私には理解できません。

短期的に見て不要と見えることが、効率化の号令のもと、どんどん省略されていくのは危機感を感じます。

「偉そうなことを言う」と(特に妻に)思われるかもしれません。もちろん私は現在が完ぺきとは思っておらず、いろんな経験をしてきて、それでやっと現状維持なのです。

もやもやしていたのですが、それを言葉に発しなければなりません。それが、教師という職業の使命だと今は強く思います。大学教員を辞めて、高専教員として転職し、異なる立場の学生を見たことで、ものの見方がさらに広がったと思います。8月に、高専の新任教員研修会に参加しました。多くのテクニックを教えていただきましたが、一つ大きく頭に残っていることです。

ある講師の私見だとはおっしゃっていましたが、なるほど、と思いました。技術者として勉強する中で、自分の専門外の勉強は何の役に立つのかの問いに対して、その講師は、こう答える、と。「他分野の技術者と、円滑に会話するため」
(強く覚えているといいながら、うろ覚え!後で手帳を確認するため)

相手が技術者でなくても、家族、友人、土木技術者であれば、地元住民や国民との対話、でしょう。


とはいえ、こういう抽象的な話は、なかなか若い人にはわかりません。彼らも10年たてば身に染みて解ることですが・・・。


時間を見つけて具体的な読み物でも作っていこうと思っています。○○はなんの役に立つのか。フレミングの法則が私の人生に与えた影響は、突沸を防ぐために沸石を入れることが、私の人生に与えた影響は、全て書ける自信があります。わからないものは、ネットで募集すればいいかもしれません。ただし、その分野の専門家でない人。

別に、個別のことを書くことが目的ではありませんが、アホみたいなことに、真剣に取り組むことで、学生を鼓舞したいと思います。手段は問いません。今まで通りの教育が悪いのであれば、変えるべきところは変えたい。


たまにはエラそうなことも書きます。
ちなみに、讃岐弁では、エラいは、きつい、疲れた、という意味ですが。

2013年9月13日金曜日

現場調査グッズの鬼

昨日の横浜市職員研修の現場実習の講師を務めました。その中で、現場に入る前に、15分ほど、調査グッズについて話をしました。今までの試行錯誤や、現場で出会った方々から盗んだ技を自分なりに解釈したものをまとめてみました。昨日の時点では一部しか紹介できず、また写真も不完全だったので、先ほど加筆して完成しました。このファイルは、昨日の受講者に送るとともに、 ホームページで公開します。

以下のリンクからダウンロードできます。

現場調査器具の要点

ご笑読いただければ幸いです。内容について、「違う、我こそは」という方は、貴方のこだわりを教えてください。


2013年6月29日土曜日

ノートパソコン特有のトラブル


ノートパソコンの故障について知っている知識を書く。専門家ではなく、素人なりの判断なので、細かい名称は間違っているかもしれないが、実務上問題ないだろう。


ノートパソコンが壊れることについて、一般の方より沢山経験をしている。

昔の不具合で多かったのは、液晶ディスプレイが真っ暗になるもの。ディスプレイの構造として、液晶自体は光らないので、裏から光を当てて、液晶を通して色を表現している。その光が、昔は(今も?)ガラス管のランプだったので、そのランプが切れる。10年ぐらい前の時には、購入後3年でいきなり切れる、というのを、自分や友人が経験した。その1人は、今の妻が結婚前にフランスで働いている際に。この場合、本体の機能は生きているので、外部出力すれば何とかなった。最近は、LEDが使われることが増えているようで、ランプ切れは問題にならなくなったようだ。

前任大学で、キーエンスのマイクロスコープも同じ不具合で故障し、内部のランプ交換をした。


ハードディスクが死ぬこともあるので、これは致命的だ。物理的に死ぬ場合と、ソフト的に壊れる場合があり、後者であれば比較的簡単に治る。前者の場合は、データレスキューの業者に、データ救出をお願いする必要があり、結構なお金がかかる。 ハードディスクにエラーがあるかどうかは、PCの電源が入って、英語の画面(BIOSが起動(バイオス読む))が出たのち、ハードディスから起動できないとエラーが出るので、比較的わかりやすい。

もう1つ、よくある不具合。使っていきなり電源が切れて以後二度と起動しないものや、前回まで大丈夫だったのに今回から一切起動しなくなったりするもの。その際、電源も全く入らず、黒い画面で英語の表示(BIOS)が出ない、というもの。うんともすんとも言わないので、壊れた、と思うことが多い。でも、BIOSが立ち上がらないのは実はよっぽどのことで、この場合は壊れていないことが多い。


答えは、バッテリー切れ。

そんなことはない、ACアダプタは常時電源に接続しているからバッテリーは満タンである、という思い込みであることが多い。実は、そのACアダプタ自体が数時間前に死に、起動しなくなるまでの間バッテリー駆動していて、そして今バッテリーが切れて起動しなくなったものである。家族、友人、など、数人経験したことがある。

太陽が今爆発しても、人間が気づくまでに○○分かかる、みたいな。

昨年の現場調査の際、iPhoneが壊れた、という人がいたが、ソフトバンクショップみてもらうと充電で治った、という人がいたので、これと同じ状況だったのかと思っている。

さて、直接的な原因特定方法は、テスターを持っていたら、ACアダプタの出力電圧を確認することである。なかなか持っていないだろうが。ACアダプタ自体に、LEDランプがついていることがあるので、その場合は、消えていたら、やっぱり死んでいるのだろう。

救出方法は、互換品を電気屋やネット通販で買うことである(原因が特定できていない場合、追加購入することはリスクはあるが、BIOSが死ぬことはめったにないので、BIOSが立ち上がらないのは、ほぼ充電不備と考えても、統計上問題ないと思う)。純正品は、部品として注文するとなぜか1万円くらいして、高い。エレコムなどの互換品は、実は付属のものよりも小さくて軽い、という良いことづくめのこともあるので、検討に値する。

ACアダプタは消耗品扱いなので、メーカー保証期間内、ショップ延長保証内で壊れても、保証はされない。消耗品だ、とわかっていることは大切である。


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私は、ACアダプタの運搬が面倒なので、互換品を買って、職場と家とに置いていて、ACアダプタは持ち歩いていない。よって、たまに出張の時に、入れ忘れることもあるが、基本的にはとても便利である。その互換品自体が、スリムタイプであれば、購入時についてきたものよりも小さいことがあるので、そのために買うことも意味がある。

数日前、研究室の学生用のLANのハブが壊れた。これは、昔、中古の古いのを譲り受けたのをずっと持っていて、赴任後に再び使い始めたものであった。何も起動しない、ということなので、これも電源部が壊れたのだろう。電気製品は、交流では動いておらず、内部で直流に変換しているが、その回路が壊れたと思う。でも、それを直すのは趣味の世界に入るので、さっさと1780円で買いなおした。もし、私が南極観測隊か何かで故障に遭遇したら、意地でも直していただろうが(西堀栄三郎を意識)。

リスクを考えておくことは大事であり、ノートパソコンのリスクと対策として次のようなことを考えている。それこそ、レジリエンスなノートパソコン対策である(藤井先生の新刊を読んでいるので、無理やり使ってみた)。

1)ACアダプタが壊れる。 →1か月を超えるような長期出張であれば、そもそも2個持っていくことは、おかしなことではない。特に海外であれば。特に、ACアダプタをぐるぐる巻きにして収納する癖のある人は、注意。
2)ディスプレイが壊れる。 →極細HDMIケーブルをかばんに忍ばせておけば、テレビに出力してしのげる。私は出張鞄に入れている。ホテルで仕事をする際や、会議でとっさに活躍することもある。
3)ハードディスクが壊れる。 →バックアップしかないが、メールは基本的にGmailとし、その仕事で使う大事なファイルは、クラウド(Googleドライブにアップロード)に入れておけば、出張中はとりあえずリスク対策OK。

2013年5月20日月曜日

JR西日本すごい JR四国も

高松にいて、日々の出張が増えてきて、交通をどうするかが試行錯誤中である。

以下、自分の整理のためのメモの位置づけが強いので、後半の個別検討は、他人に読んでいただかなくてもかまわない。

その過程で、すごい! と思ったこと。

1)JR西日本、四国エリアは、電話一本で特急や新幹線の予約and/or購入ができる。購入とは、電話でクレジットカード決済しておき、後日駅で受け取るもの。

JRのネットでの空席状況は、新幹線がメインで、それ以外、特に寝台列車はオンラインでは見ることができないようだ。旅行代理店や窓口へ行って空席を確認しなくても、どこでも予約ができるのは便利だ。サンライズ瀬戸は人気路線なので、満席で取れない場合があるので、中断されずに出張の計画を立てることができるのはよい。

JR東でも、空席照会の電話サービスはあるようだが、話し中だった。たまたまかもしれないが。

JR東日本でも同様の予約、購入ができるのであれば、教えていただければ幸いである。

前任の大学生協は、徒歩10分の生協まで足をのばさなくても内線電話で購入でき、研究室まで配達してくれるというサービスもあり(その場で現金を支払う)、急いでいるときに一度だけ利用したことがあった。

2)高松駅でのパークアンドライド。ある料金(3000円とか)以上のJRを利用すると、1日1000円で車が停められるという。さらに、パークライドと称して、2日間までは無料と。これは、使える。

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以下、私のメモ。


東京、横浜出張については、大体わかってきた。横浜にいたときには気づかなかった内容で、結構驚きである。

行き:高松から東京へ

1)朝10時から会議の場合、飛行機ではちょっと遅れるかギリギリ。
 前泊が可能なら前泊したい。

その場合、飛行機なら19時過ぎ発が最終。余裕を見て、高松市内を18時過ぎに出る必要がある。新幹線の場合、高松駅19時頃発で23時半頃東京着の新幹線の終電がある。

東京に着いてから、ホテルチェックインまでの移動を考えると、実は、飛行機よりも新幹線の方が軍配が上がりそう。 東京の定宿は決まっていないが。

先週は、横浜国大で朝9時から打合せがあり、結局選んだのは、新幹線。新横浜駅で降りてすぐにホテルチェックイン(駅5分)。これは、疲れも蓄積せず、よかった。長距離移動をした直後に休めるのは、身体的効果が高そう。出張で一番疲れるのは、最後にローカル線や、徒歩になった際に、階段を上り下りする必要があるような場合なので、それがネックになりそう。


2)朝、講義をしてから、午後の会議に出席。
 これはもう、飛行機しか選択肢がない。例えば14時土木学会(四ツ谷駅)の場合で、1コマに講義があるのは、講義の最後の方は演習などにして抜ける必要があるので、ちょっと調整が必要だが。

3)寝台列車
 サンライズ瀬戸という寝台列車は秀逸である。寝台列車に乗ったことない人は、たぶん古いコンパートメントのイメージであろう。ミサワホームが監修した車内は快適である。

高松を21時半頃に出て、東京が翌朝7時ごろ、というもので、新幹線+ホテル代よりも、寝台個室料金+寝台料金の方がちょっと安いのは、これまた驚き。

ただし、高松で19時には乗れなくて、21時半なら乗れるというシチュエーションが、今のところない。予め出張が決まっていたら、放課後は会議を入れずに駅に向かうことができるので。


帰り:東京から高松へ
1)夕方会議が終わって、帰路に着く場合、新幹線の終電は、20:30東京発、0時岡山着、高松1時半前着の新幹線+マリンライナーである。20時頃まで懇親会に出席できるのは、心強い。

飛行機の場合、19時半頃のフライトが最後なので、18時には東京都心を出発し、羽田に向かう必要がある。この点でも、ちょっと不利である。

サンライズ瀬戸は、東京発は22時。高松が7時半頃。懇親会の2次会に出席できるかどうか、という分かれ目になるが、そのようなシチュエーションであれば、1泊するだろう。

よってこれは使うことはないと思っていた。しかし、東北の出張であれば、夜に東北新幹線に乗って南下し、接続のサンライズ瀬戸で夜行で帰ることもありうる。

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さて、今回仙台、盛岡出張に行くことになった。

金、土、日の調査がある。金曜日は調査の途中からの参加やむなし。
帰って翌日の月曜日は、2限から講義。高専は1限45分が2個で、1コマ。すなわち、9:40から講義を始める必要がある、という制約条件。

行き:高松から仙台へ
1)何らかの方法で東京に出てから、新幹線で仙台というのはオーソドックスだが、結構時間がかかる。前日に、東京まで出ておけば、結構楽に移動できる。
2)今回は、そもそも出張が長いので、前泊をやめて、当日に、新大阪まで新幹線で行き、伊丹空港から仙台空港への飛行機にしてみた。11時に仙台空港に着ける。

帰り:盛岡から高松へ
1)花巻空港から伊丹空港、その後新幹線というのがあるが、花巻空港が18時台と微妙な時間。調査終了の時間によっては間に合わない可能性もある。盛岡から空港までの移動が小一時間かかるので、その遠さがネックとなって断念。

仮に大阪までたどり着けた場合、頑張って高松まで帰ることもできる。仮にフライトのトラブルでここで電車が途絶えたとしたら、大阪に泊まると、翌朝の新幹線で、最速は高松着は8時。何とか自宅を経由して職場に出られそうだが、結構ぎりぎり。こういうトラブルも想定しておく必要はある。

2)東京に出てきて、その後、寝台列車サンライズ瀬戸。22時東京発なので、盛岡が19:13発、東京21:23着のはやぶさが最終。今回、この、はやぶさ、&サンライズ瀬戸で帰ってみることにする。サンライズの予約はできた。

なお、東京行きのサンライズは、夜間、貨物列車などのトラブルに巻き込まれて、定時にたどり着けない場合があるという。この辺も考慮しておかないと、痛いかもしれない。

実際、20年前、私は高校総体の登山競技で香川県代表としてインターハイ出場したが、栃木までの移動を、なぜか寝台列車を利用して、トラブルで到着が遅れた経験があったことを思い出した。

2012年6月24日日曜日

目的と手段 節電編

目的と手段を履き違えるな、ということは、どんなところにも共通する考えだと思います。

エアコン設定28℃、というのは、節電のためのお題目のように唱えられています。これは、具体的アクションなので、手段、と分類できるでしょう。

28℃に設定しても、手元の温度計は35℃。これじゃ仕事にならないよ、という愚痴や報道やよく目にします。何かおかしいのは間違いありませんが、その分析が、私から見るとずれているように思います。

まず、28℃に設定することのそもそもの目的は、なんでしょうか。

シンプルには、空気の温度は28℃未満は贅沢であり、28℃で我慢せよ、ということに私は理解しています。28℃も、実際にその温度が保たれていれば、結構涼しいものだと思っています。本当に理想環境での28℃がもし暑ければ、そもそもの議論がかみ合いません。私はこれまでの経験から、28℃は暑くないと思いますし、ここではその前提で議論を進めます。理想的な28℃が暑く感じる人の対応については、必要な時に別項で書きます。

28℃に設定しても、実際には暑い。なぜか。部屋の温度が一定ではないから、それだけでは、ほとんどの場所で28℃が達成できないためです。そんなのみんな知っているよ、という反論は分かります。だから、扇風機などのサーキュレーターを使うべきで、それが売れている、というのでしょう。その通りです。

サーキュレーターで、良く説明されることは、使うことによって涼しくなります、という謳い文句です。よって、サーキュレーターの紹介のされ方は、概ね次の通りです。28℃だけでは暑いけど、気流があれば涼しくなり、エアコンの温度を数度下げたのと同じ効果が得られる、と。そのため、USB扇風機などが売れているのでしょう。


サーキュレーターなしに28℃を実際に保つのは困難で、本当の28℃を達成するためにサーキュレーターを導入しましょう、というのは見たこと聞いたことがありません。これが私が提案することです。

エアコンの28℃というのは、いったい何を基準にはかっているのでしょうか。吹き出し口から出る風の温度ではありません。出てくる風は、10℃台の冷たいものです。答えは、特に職場で使っている業務用エアコンは、本体のセンサか、手元スイッチに内蔵されているセンサのどちらかでしょう。家庭用エアコンの高い機種のように、赤外線で離れた室内や空気自体を直接計測しているものは少数派でしょう。

手元スイッチは壁に近いので、その壁の温度の影響を受けます。別件で温度を管理している実験室の温度計を置く場所を検討しましたが、壁に設置するのと、そこから浮かせて設置するのでは簡単に2℃は変わります。エアコンの室温が2℃変わると、結構なものです。

温度センサがエアコン本体内蔵の場合、風の逆噴射の影響を受けるようです。直接風が体にあたると寒いので、別売りのガードをつける場合があります。私の部屋も付けましたが、すると、ガードにあたった風が、たぶん逆流するために、エアコンに戻ってきてエアコン自体を冷やすようです。同じ温度設定でも、本体のセンサだけ早めに温度が下がり、エアコンが停止してしまうのです。よって、部屋は暑い。ここで暑く感じるのは、28℃だから暑いのではなく、部屋が28℃になっていないためです。

論理的に考えると、エアコンの設定温度28℃を守れ、というお題目が正しいためには、エアコンの設定温度に部屋の温度が高い確率で達成できる、という必要条件が満たされることが必要です。家庭用エアコンや、最新の空調装置により管理されたオフィスでは、それが達成できるかもしれませんが、大学を含め、多くのオフィスでは、そこまで理想環境になっていないように思います。

ここで改めて目的と手段を提案します。

「節電時に必要なのは実際の温度が28℃になることであり、それを達成するためには、エアコンの設定温度は相違していてもよい。ただし、28℃であることを客観的に証明する必要があり、壁の温度、日射、局部的な気流の影響を受けない空中において、温度を測定できる装置(普通の温度計を空中にぶら下げればよい)を同時に備えていなければならない。

28℃を達成する方法としては、サーキュレーターは有効であり、風を体に当てることが主目的ではなく、部屋の温度が一定になること循環させるように使うべきである。」


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言うだけでなく、研究室で実践しなければ。特に、冬場には、窓際が寒いのが、サーキュレーターで一発で改善しました。

2012年4月28日土曜日

車両事故のレビュー


 車にまつわる話として、通勤で車を使っている運転者として、最近の痛ましい交通事故を受けて、改めて自身を律するべきと気持ちが引き締まる。
 関連して、大学構内の外周道路について、昨年から公共バスが乗り入れることになったのに伴い、速度規制のための10個のハンプが取り除かれ、走りやすくなった結果、明らかに私も含めて皆の学内自動車運行の速度が増していた。それを受けて昨年度は数度、学内の教職員向けの公文書にて、20km/h制限の通知が出ていたが、ついに4月になり、注意喚起の標識設置や道路へのペイント等がなされた。一運転者として反省すべきことである。
 さて、20122月に新車を購入したという話をしたが、購入の前日に古い車において、自損事故を起こしてしまった。畑村先生の失敗学の知識も得て、失敗について研究室や学内でも語っている手前、きちんと総括しなければならない。

1)事故の概要
 ガソリンのEmptyランプが付いている時に、そろそろガソリンを入れなければと思っている矢先、住宅街にある急な上り坂で一時停止して用事を済ませ、再発進しようとした際に、ガス欠となり、動けなくなった。ガス欠は、たまたま急な角度にいるためであり、何とか平地に戻れば、残っているガソリンで再発進できると信じ、ギアをニュートラルにして重力を使ってバックしている最中、停車中の別の車を避けようとハンドルを切ったが、コントロールが難しく、反対車線にはみ出て、右後部のボディーが反対車線のポールにあたり、動けなくなった。




2)復帰
 自動車任意保険に付属するロードサービスに電話し、念のためにレッカー機能をもった車でガソリンを持ってきてもらい、10リットル給油したところ、自走できて、レッカー不要で自力で復帰した。右後部のボディーを若干擦って凹んだ。
 翌日は新車への入れ替えで、元々廃車予定だったので、実質的は被害はなかった。保険もロードサービスの利用だったことと、保険会社も切り替えが決まっていたので、保険料にも影響なし。

3)考察
 あの時ガソリンを入れていれば、上り坂で停止しなければ、など、「~たら、~れば」と1つでも実施していたら、回避できたと思う。しかし、それを客観的に分析し、相互連関を見る必要がある。
 失敗学で言う、曼荼羅(まんだら、相互連関図)の作成である。相互連関にするには図化するので時間がかかるが、まずは項目をピックアップしたい。

4)その時の行動、その時考えていたこと
2/11にこの車は廃車になることがわかっている。よって、ガソリンはできるだけ空にしたほうが経済的である。
・実際には、金銭的なことよりも、Emptyぎりぎりで廃車を迎える、という一種の遊び感覚を楽しんでいた。
・そんな中、たまたま、数日前にEmptyランプが付いた。だいぶ昔だが、Emptyランプが付いてから、最高で50km走ったことがあり、その50kmをひとつの目安として使っていた。今回30km位になっていた。その時よりも経年により燃費が落ちていることは考慮していない。
・真冬であり、エアコンをつけていた。50km走るのはそもそも難しかったが、その季節の違いに一切気づかなかった。
・さらに話がややこしいのは、このままでは危ないと思って、Emptyになってから1回、10リットルだけ給油していたこと。給油後にEmptyランプが消えれば、再度Emptyランプが付くタイミングでリセットできるのに、消えなかったので、一体どこまで走れるのかが良くわからなくなった。直近の燃費で計算はできるが、不確定要素が増える。
・たまたま前夜から調子が悪かった子供を病院に連れて行ってから、その足で遅刻として幼稚園に送りに行った。
・当初、この幼稚園の往復は考えていなかったので、ガス欠が頭をよぎった。そのため、幼稚園の路地に入る直前の交差点で、妻と、ガス欠が怖いからガソリン入れようかと話をした。しかし、そのためにはいつも曲がる交差点を超えないとガソリンスタンドは無いし、幼稚園も早く行きたかったので、幼稚園の送りが終わってからにしようと判断した。
・幼稚園の、遅刻して入るための通用門は、平地でなく急坂にある。さらに、道路は狭いのでその場でUターンはできない。坂道を登る格好で停車し、妻は娘を送りに行き、私は息子を乗せたままアイドリングで待機した。その間5分。
・妻が戻ってくる間に、車を回して、Uターンをしていれば回避できただろうが、何も考えず、その向きのまま、待っていた。
・ガス欠をした段階で、無駄なあがきをせず、そのままロードサービスを呼ぶという選択肢があったが、下手な考えで、ニュートラルギアにして坂道を下り、平地に戻れば、タンク内の残ったガソリンで自己復帰できると考えついた。
・その坂道は、車がほとんど通らないローカル道だったので、バックで動くのは可能と判断した。もし、車の通りが激しかったら、そのまま待ったかもしれない。
・ちょうど止まった場所が、さらに狭いところだったので、トラックなどの大型車が来たらあまり良くないと思い当初は数メートルバックして完全停車しようとした。そこで車を動かせたことが、後のバック運転の自信につながった。
・初めはハンドルを殆ど切らなくて良かったので気づいていなかったが、途中でカーブに入る。ハンドルの軽さ(パワーステアリング)は、電源が切れているので、アシストがなく、ハンドルを回すのが、よいしょっと、非常に重たいので、運転感覚が全然違うことに、動き出して気付く。初めからわかっていたら、やめたかもしれない。
・後から考えると、先に行きすぎてUターンし、下を向いた方向で停止していれば、仮にガス欠で止まっても、前を向いているので車のコントロールは優しかっただろう。
・バック運転をした一番のモチベーションは時間に追われていたこと。妻と息子が乗っていて待たせるよりも復帰したかったこと。現在10:20頃で、11:00からM1学生との研究打ち合わせを設定していたこと。この場所から大学まで通常は25分くらいかかり、途中で、家族を家に送り、ガソリンも入れなければならないのでそもそもギリギリだった。
・坂道を下り、バック運転があと少しの時に、郵便局の車が左に停車中だった。そこで諦めて止まらずに、追い越そうと、ハンドルを切り反対車線(もともと中央線は無い)に入ったが、郵便局の車をバックで追い越す難しさの焦り、反対車線にはみ出ている焦りが出た。
・その付近は、ちょうど右側にフェンスは無く、崖のようになっており、ポールがあったが焦りのため、見えていなかった。

 上記にて、頭の中にもやもやしていたものを書きだすと、とりあえず17個になった。ここには、(1)そもそものガス欠が起きたことの遠因・直接原因に当たるもの、(2)ガス欠が起きた際に、より危険な行為に進んでしまったこと、の2種類に分類できそうだ。

 (1)については、1つでも行為を行わなかったら、そもそもガス欠は生じなかった。別にそれを悔やんでいるわけではないが、正確に分析し、その時に私が何を考えて、それを突き進んだのか、というところが、一番の本質である。別に何も後悔していない。

 長くなったので、ここで止める。これの整理は次回。

2012年1月26日木曜日

理解

昨日、土木学会に向かう途中の電車内で、学生から電話があり。不適切な操作により試験装置が動かなくなったという。私の中では、その内容は頻出であったので、あまり驚きはなかった。原因は2つ考えられて、片方なら復旧は簡単で、片方の場合程度によっては復旧できるものと非常に復旧しにくいものに分かれる。

移動中だったので、乗り換えの駅ごとに短時間の電話でヒアリングしながら、上記のどれに属するのかをチェックした。結果として、すぐに復旧できる方だと分かり、復旧の指示を出して、短時間で直った。

研究室で実験や安全を管理する立場の私としての総括は、なんだろうか。

1)その部分は、人間の操作が間違うと不具合が起きるものであり、それを防ぐには人間が気を付けるしかない。つまり、管理安全であり、本質安全ではない。機構上、本質安全へ改善できる性質のものではないので、管理安全をいかに徹底するかが問題。

2)管理安全ではあるが、今回の場合、1つのミスでは最悪のものにはならない。1つめの操作をきちんとしておけば、不具合が起きても、前述の致命傷には至らない。よって、その1つめの操作をきちんと行えるように教育すべき。これまでの経験から、1つめの操作すら知らない学生は多いようだ(その場合、実験はうまくいかないので気づくが、その間に上記の失敗が起きる抜け道があるのが怖い)。

3)仮に不具合が起きた場合、原因の調査は単純であり、復旧の仕方は致命傷を除いてそれほど難しくない。現状では、操作手順書を作って、それを書きこんであるが、必ずしもわかりやすい状態ではないように思う。

4)そもそも、その手順書の存在は、全員が知っているわけではない。手順書の存在を周知することと同時に、あることをうっかり忘れたとしても気づく方策が必要。例えば、装置の本体に手順書があるとの表示をする。

5)プレゼンと同じだが、手順書は書いてあるという最低限はもちろん、ちょっと見ただけでも重要なところは理解できるようにしなければならない。多少、記述の強弱は必要だろう。

6)そもそも、機構を知らずに装置を使いこなしている気になるな、という教育をする。解析ツールにしろ、実験装置にしろ、人間がある目的で作って、そのようにしか動かない。ブラックボックスで使うことの怖さを知る。原理がわかれば、何を気を付ければよいかが、たとえ人から聞かなくてもわかる。失敗に遭遇しても、その対処がわかる。


ちなみに、上記の電話をしながら、途中電車を乗り継ぎ、やっと土木学会目前というところで、その委員会WGはその日に限り東大キャンパスで行われていることに気づいた。失敗。


+++++++++++++++++++++++++++++++++++
今日、1日中、実験に立ち会っていた。こういう長時間は、年に数回くらいしかない。常時ではなかったので、立ち合いのない時間は、以前から懸案になっている重量物の運搬をクレーンで行うなど、普段しないことに従事していた。ずっといると、学生の実験の様子も見えてきて、いろいろ気づかされることもある。

一番多いのは、あれ?、と思う装置の使い方。聞いてみると、勝手にそう思っていた、前任者からそう聞いている、など。本質からずれているのもあった。結局のところ、引き継ぎがうまくいっていないことや、そもそも一般的な機械なのでわざわざ引継ぎされずに、口頭で伝授されているものだったりした。前述のように、機構を理解せず使っているがために、本来間違いようがないことを間違えている例もあった。

実験の精度にも関わるし、安全がないがしろになってたとしたら怖い。

確か、その装置は、昨年3月に、研究室で最近話題になっている、「引き継ぎ会」が行われているはずだ。その内容が貧弱だったのか、そこで撮影されたビデオなどが生かされていないか、のどちらかとは思うが。もしかして、上記に書いたように、引き継ぐ本人が本質を理解していないがために、引き継ぎも表面的になっていたのではないか。

人間はモチベーションを高めないと、動けない。当初は動けても継続しない。私が機械に詳しいことの本質は、機構を知らずにツールを使うことの怖さを良く知っていることだと思う。細かいことが好き、ということよりも、そっちが根底にあると思っている。

この辞書が各人にあるかどうかで、行動は雲泥の差があるように思える。教育としては、その辺が本質だろうか。ある装置がどういう機構で動いているという個別の話は、後からついてくることで、どうでもいいと思う。

2011年11月30日水曜日

クラウド

押し出しファイリング時代から参考にしている野口悠紀雄氏の新刊を購入。前に買った、超超仕事法は、主としてGmailを使った仕事法で、クラウドの将来性にも触れた内容であったが、今回は、その内容がこの2年の間に深化したことが中心になっているように感じた。ということで、自分にとって関係のある部分は、前作と殆ど変化がないように感じた。ちょっと残念。本当に変化がないのか、その後獲得して実践していたから新しく感じなかったのか、どちらかは定かでないが。 ということで、ぱらぱら読みで20分くらいで読み終えた。

スマートフォンは、最近触手がのびているのだが、改めてこれを読んで、そろそろ潮時かと思った。今の携帯の契約が切れる4月には替えるだろうな。

2011年8月20日土曜日

目からうろこ

とある試験装置の開発を行っているが、本格的な改良のため、工場に図面を持ち込んで打ち合わせ。シンプルな形状にせねば、と思って設計していたが、先方から、「NC(自動加工)で行うから、複雑な形状でも大丈夫だよ」と。「え、そうなの?今まで苦労したのが何だ。」

他にも、直接関係なくても気になっていることを、あえて聞いてみると、簡単に答えが返ってきて解決することも複数あり、よい打ち合わせだった。

専門家に聞け、とはこのこと。

2011年5月24日火曜日

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GoogleのGmailとの相性が良いと思っていたブラウザChromeだが、pdfのダイレクト表示がおかしい、最近Gmailのオフライン機能との相性が悪くなった、ドキュメントのダイレクト編集の文字が飛ぶ、ということで不満を持っていた。しかし、Chromeのブックマーク類の同期によって、自宅、モバイル、大学でシームレスに連携ができていたのが手放せなかった。

ところが、ついに堪忍袋の緒が切れて、先ほど、IE8と比較検討した上で、30分ほど格闘して、結局Firefoxに落ち着き、ブックマークのインポートと同期の設定が終わった。

上記の不具合は全部解消しているようだ。

細かなストレスだが、PCを使うほとんどの時間を占めていたので、掛け算にするとかなりなもの。以後、業務効率アップか。

→追記:インストールした最新版のバージョン4では、GMAILのオフライン機能がサポートされていないことに気づく。FireFox3.6をインストールしなおして、大丈夫の模様。

ブログの移動(に近いもの)

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