2018年6月19日火曜日

東へ西へ

産官学を巻き込むあるプロジェクトが佳境に入ってきた。

ちょっと早めに4時起きで出勤し、色々と庶務を行っていたところに、大阪の地震。高松、RC3階建ての1階の教員室では、初期微動っぽい物音でこれは来るなと思ったところに、1回ドンと揺れて終わった。

iPhoneの緊急地震速報が鳴らなかったのは、昨年の豪雨で小豆島の土砂災害情報で眠れなかったのでスイッチを切ったままであったことを思いだし、反省。

9:30より、高速を利用して1時間弱の香川県西部の方でとある試行工事の下打合せ。産官学で打合せをした。これまで、一同顔を合わせたのは1回切りだったので、もっともっと本音の共有が必要であり、来週スタートに向けての、ギリギリのタイミングだったように思う。施工者の全面協力で成り立つ今回のプロジェクトであるため、施工者の過度な負荷にならないように、調整が必要である。そういう意味で、私が暴走するところを実際に指摘いただけたことは嬉しい。それができるのはこうやって膝をつき合わせたときにしかできない。

全員で、近くのボックスカルバートで表層目視評価法のデモンストレーションを急ぎ足で行い、高専に戻る。往復の間、ずっと、NHKのテレビの地震報道の音声を聞いていた。

学校に戻り、10分の休憩も無いまま、午後1つだけ講義。

講義を終えて、香川大学へ移動。委員会報告会・シンポジウムに1時間遅れで到着。私は表面吸水試験について発表。100名程度の参加があった。四国には、ユニークな表層品質の測定手法を開発する研究者が多い。

ということで、本日も分刻みのスケジュールで、東に西に、という1日だった。夜は委員会メンバーと懇親会。

産みの苦しみ、と思いながら、色々なプロジェクトも動き出し、少しずつよりよい方向へ変わってきていることを実感。

2018年6月5日火曜日

日本水準原点

測量の日に合わせて、「日本水準原点公開」の報を知る。

「日本水準原点」

地図好きにはたまらない響きである。「原点」。東京湾の平均海面を基準にして、国会議事堂近くに、標高24.4140m(現在は変わっている)の所に、原点があるという程度であるが、登山、地図好きの私が、高校の時に「山の高さ」という本を買って読んで知った。

昨年か一昨年か詳細は忘れたが、国土地理院が測量の日に合わせて公開しているという話を聞いた。公開ということは、あの石造りの建物は、普段は一般公開されていなかったのか? 行ったことがなかったのでよくわからなかった。もしかして、日本水準原点は敷地内にあって一般の人は入れない場所に建っていて、その日だけ入れるのかもしれない、という程度であった。

今回、たまたま出張で東京に来ており、その日は12時頃に用事が終わるので、飛行機に乗るまで2時間ぐらいは空きがあるため、行くことにした。4回、10分程度のレクチャーがあるとのことで、せっかくならそれを聴きたい。

解せないのは、雨天は翌日に延期とのことで、地方から来る者はどうしろというのか、と思いながら当日を迎えた。午前中は曇りで、途中から雨が降り出すという、これまた、不安な天気である。行って閉まっていたらどうしよう、と思いながら、虎ノ門駅からタクシーに乗るべきだったと後悔しながら、国会議事堂前をダッシュして、何とかレクチャーの開始に間に合った。

小雨の中、10名余りの聴講者が集まり、ちょうど説明が始まったところに滑り込めた。

以下、撮影した写真を紹介していきたい。


上の写真は、社会科の資料集などに載っているあの建物である。実は、この建物自体が原点ではなく、「水準原点」というものを格納している「標庫」という。東京大学建築学科(当時は、造家科)の一期生 佐立七次郎(さたち しちじろう)による設計という。彼の大学同期に辰野金吾(東京駅設計)がいる。彼が設計して現存するものとして、これ以外に北海道小樽の旧日本郵船小樽支店の建物があり、見学で入れるらしい。

後日、佐立氏について調べると、何と、1856(安政3)年、高松藩(讃岐の国)(現、高松市)の生まれという。高松高校(その前身の高松中学)のできる前の話なので、直接の高校の先輩にはならないが、もし学校が存在したら、卒業生になるのは間違いないだろう。

まさに、色々な意味での私にとっての原点である。8月には土木学会の全国大会で北海道に行くので、彼の上記建築を見にいきたい!

さて、その標庫であるが、中央のパネルが開いているのがわかる。


さすが、パネルには、菊の御紋が。

 中央に、水晶で作られたものが鎮座する。

写真を拡大して見て戴きたいが、目盛が刻まれている。中央の長い水平線が基準である。数字を見て戴きたい。数字の文字が上下逆転している。その理由は、測量をする人ならおわかりであろう。(画像をクリックして拡大)

測量で使うレベルという器具は、望遠鏡のようなものであるが、当時はレンズの性能が悪く、上下反転して表示される。よって、誤読しないように、上下反対に文字が刻まれているのである。当日はこのようにレベルがセットされているのが素晴らしい。

なお、この標庫は、資料集の写真などを見ると、小さい百葉箱くらいの大きさなのかと思っていたら、大きくて驚いた。

スマートフォンのカメラで、レベルを覗いた中を撮影。画面がひずんではいるが、数字を読むと、上下反転した後で、きちんと数字が読める。(画像をクリックして拡大)

 私は、24.4140mというのがずっと頭にあったが、実は、明治24年5月に、24.500m(数字に遊び心がある!)として設置されて、その後関東大震災で沈下して24.4140mになったものであった。そして、東日本大震災でも沈下して再度測量をし直していたとのこと。不勉強であった。

では、どのような基礎になっているのだろうかというのは、気になる。やっぱりコンクリートでしっかりと支持されていた。



10分の説明の予定が午前中は白熱して30分ぐらい話したとおっしゃった国土地理院の説明の方は、午後も30分ぐらい色々なお話をしていただけた。1人でパネル展示を見るのではなく、実際に説明を併せて聞くことで非常に充実した見学であった。小雨の降る中も最後まで実施いただいた関係者にお礼と敬意を表したい。

ひとつ、参加者としては、このPRチラシのインパクトがどうも・・・。
国会議事堂前の徒歩2分に位置する日本水準原点の建物にしまってある『一般公開していない! 水準原点』が、年1回特別に公開される、という風に表示をしていただければ、より魅力が高まるような・・・。地図オタクと思っていた自分も詳細を知らなかったので。
http://www.gsi.go.jp/kanto/kanto40002.html

2018年5月9日水曜日

8分の新幹線乗り換え時間

新幹線を使って出張に行く際には、高松から瀬戸大橋を渡るマリンライナーで岡山駅まで到着し、岡山駅から新幹線に乗る。マリンライナーの乗車時間は60分で、経路検索で標準で出てくる乗換え時間間隔は、短いときには10分程度から、最短8分というのも頻繁に出てくる。

当たり前だが、60分間乗車する在来線からの新幹線への乗り換えが10分程度というのは、リスクが高い。検索で普通に出てくるから、その便に乗っていたけど、感覚が麻痺していた。今までよく乗れていたなぁと。東京駅など比べて、岡山駅は物理的な面積が小さい、というのは圧倒的な違いであるが、まず東京駅では考えられないだろう。

先日の横浜出張では、在来線が2分遅れぐらいなのに、あまり気にせずに駅内のセブンイレブンに入ってしまい、よりによって、コーヒーのLサイズを頼んでしまった。待ちながらふと時計を見て、乗り遅れるかもしれないと、我に返った。Lサイズのため、コーヒーを2回に分けて抽出する時間が、今まで一番長く感じられた。

しかも焦っていたので、間違えて博多方面行きのエスカレーターに乗ってしまい、途中で気づいてももう遅い。ダッシュで駆け上がったときには、私が乗るべき、反対車線の上り新幹線はホームに入ってきた。もう諦めようと思ったけど、コーヒーをその場に仮置きして、ダッシュで駆け下りて、再度ダッシュで駆け上って、本当に滑り込みセーフ。

翌日、岡山駅に戻ったときには、残念ながらそのコーヒーはなかった。ごめんなさい。

結果として、GWの間だったので、乗った車内はガラガラでした。ただ、普通のあの時間は、ビジネス客で一杯で次の便になると満席だったり、少なくとも3人がけの中央程度しか空いていないのが普通なので。

昔を思い出したら、5年前の夏休みの金曜日夜に、一度失敗したことがあった。名古屋まで行ける最終便を狙ったのに、岡山駅で切符を買うために並んでいたら行列で終電を逃し、新大阪止まりにしたことがある。新大阪のホテルはなく、この年になって漫画喫茶に泊り、名古屋のホテルもキャンセル料取られるし。

ということで来週の出張(大阪)は、岡山乗り換えに余裕を持つことにした。


改めて考えると、東京では新幹線乗り継ぎ10分というのは考えられないこともない。でもそれは、都内の近場で仕事をしていて、EXカードで等で、万一乗れなくてもすぐに乗車変更できるというケースが大半でしょう。同様に、神奈川県大磯あたりからの1時間の東海道線を乗り継ぐのに、間隔8分の便は、電車遅延や東京駅での乗り換え時間(ホームが遠い、混雑)のリスクが高くて、普通は選ばないような。

2018年5月4日金曜日

貯金箱

昨年の夏休みに当時小2の息子が作った貯金箱「計算貯金箱」について解説しました。こちらは、「さぬき科学缶」にて紹介します。

https://sites.google.com/site/sanukikagakukan/coinbank

収集癖

色々な収集をすることに興味がある。ただし、商業ベースで意図的に作られたコレクションには、興味がない。ダムカードも趣旨には賛同するが、みんなが集めようとするものに対しては、個人的には集めない。いただいた場合には有り難く頂戴しますし、子供と行った場合にはもらいに行きますが。

収集が趣味というのはちょっと違う気がして、体系化されていない観点に焦点を当てて体系化することが趣味、というのが正しい表現かもしれません。

パッと思いついたのを挙げると、次のような感じです。
  • 人面建築・・・先日、人面建築学会に入会しました。
  • 紙幣貨幣に見る土木構造物・・・先人に土木技術者で「切手にみる土木構造物」に関係する書籍を出版された方がいらっしゃいますが、新しい分野を開拓されたことに敬意を表します。私は、紙幣、貨幣をテーマにしています(一番の傑作は、フランスフランのエッフェル)。コレクションが貯まりつつあるので、整理して公開します。
  • 名画に見る土木構造物・・・私の師匠 池田 尚治 横浜国大 名誉教授がよく指摘されていますが、あの有名なモナリザの向かって右側(人物左肩の上)に橋があります。それ以来、名画の中の土木構造物、特に橋について気になっていました。藤井 聡 京都大学教授の書籍「道路の日本史」においても、確認されている上で初めての道路建設を書いた18世紀の絵「La construction d‘un grand chemin (大道路の建設)」が紹介されています。
  • 漫画、アニメに見る土木構造物・・・最近は地元とコラボしたアニメ作品がありますが、聖地巡礼=地元PRの臭いが強くて、とりあえずは後回しにしています。以下が逸品です。サザエさんのアニメの普通の回(オープニング曲の中や、年に1回ほど、家族が地方観光をするのを除く)に実名の町が出ることは非常に希なのですが、そこに登場した「小田原ブルーウェイブリッジ(日本初のエクストラドーズドPC橋)」は秀逸でした。他に、「ゴルゴ13」において瀬戸大橋に仕掛けられた爆弾の撤去の回も技術的な話が盛り込まれていて、カッコイイです。公開に際しては、著作権のことがネックです。
  • 土木工学をテーマにした詩・・・5年前、谷川俊太郎「私は讃える」という詩に出会いました。私の紹介が縁を結び、土木学会100周年の記念号(2014年11月号)に8行だけですが掲載していただきました。こに詩には思い入れがあり、今後何とか著作権をクリアにして、ウェブで紹介したいと考えています。収集といってもこれしかないですが。表記詩の中にある「巨大な鉄とコンクリートに結ばれる」なんてフレーズはワクワクしませんか?
  • じゃんけん掛け声収集・・・大学時代からのライフワークで、全国から3桁の掛け声が集まっています。niftyの一方的なサイト閉鎖に伴い、現在休止中。時間を見つけて再開します。
  • エクストリームさぬきうどん・・・出社前に食べられるうどん、夜に食べられるうどん、など開店時間に焦点を当てたページがないので、作りました。是非、ウェブ、データベースに詳しい人には、リアルタイムの検索、などの優れたページを作ってもらいたいと思っています。
  • 模型による構造力学系教育ツールの収集・開発・・・ブログやFacebookで紹介しています(作品例)が、きちんとまとめたページを作りたいですし、いずれは教科書を書いたり教材を作りたいと思っています。
  • 地域のイラストマップ収集・・・秀逸なイラストマップは存在しますが、地方で限定配布されていたりでもったいないです。何とか集約できないだろうか、と日々模索しています。
  • 変わった地図・・・秀逸な主題図は存在しますが、折を見て紹介します。世の中には専門家はいると思いますので、繋がりたいです。これ、とか、これ、とか。
(5/4 19:40内容更新)




2018年5月3日木曜日

図形的な理解 -オームの法則を図化する-

物事の本質をとらえることが大事であるが、なかなか難しい。数学や物理の難しい(言い換えると、普段接することのない抽象的な)概念も、図形として、簡単なモデルとして、とらえることができると、理解につながる。逆を言うと、本質が理解できていないと図形や簡単なモデルでは表現できない。

このブログで継続的に紹介している通り、私が構造力学の概念を物理的な手作りのモデルで表そうとしているのも、その活動のひとつである。

さて、2014年から2~3年程度、土木工学系の学生に対して「電気工学概論」の授業を受け持ったことがある。電気工事士の資格は持っており、集中的に勉強しなおしたが、それを除くと学生以来である。

電気回路は、どんなものに喩えられるだろうかと考えると、一般には、管を流れる水の流れなどと表現されて、管の面積が小さいと抵抗が大きく・・・、と表現されているようである。わかりやすい。

さらに、電圧とは何か、という話は、位置エネルギーと表現されて、水をポンプアップして高い所に上げて、滝のように落とす、という喩えでわかりやすい。滝のように流れ落ちる際に、電球やモーターの仕事をするのである。

そして、ともに、流れる水の流量が、電流の大きさなのである、と。

では、「抵抗」は管の面積(や周囲の粗度でもよい)というのも理解しやすいが、それらの「電圧」「電流」「抵抗」の3つの関係を表すオームの法則は、どうやって表現できるのだろうか、というところが疑問になった。言い換えると、2次元、または3次元のグラフで表現できないだろうか、という命題が思いついた。

断片的理解から、統合的理解への転換である。

電流、電圧、をそれぞれ軸に取った場合、抵抗は、電圧÷電流なので傾きに相当する概念だろう、というところから、2次元で表現できるのではないかと思ったのである。しかし、ネット検索で探しても、そのことまでを言及したり、実際に2次元で表現したものを、見つけることはできなかった。ということで、2014年より、自分で図を作ってみて、授業でも配布したり紹介したりした。

結構良い概念だと思っているので、ブログに紹介することとする。新たに書き直したので結構な時間を費やしたが、きちんと世の中に発信したい一心で。

表記法1について説明する。縦軸を電圧に取ったのは、水の位置エネルギーが頭にあるからである。傾きが先にありきであるが、傾きを表すのはsin、cos、tanがよいので、仮にcosとすると、流れる電流の大きさが斜辺の長さに相当するのですっきりすると思ったのである。

抵抗=傾きであるが、ここでは、cosθとなるため、若干わかりにくい。角度が小さい方が抵抗が大きく、角度が大きい方が抵抗が小さくなるので、逆の概念というのがデメリットである。その解釈さえ受け入れれば、無理なく図として収まっている。

直流、交流ともに、問題ない。ただし、電流と電圧の大きさの縮尺が同じ場合には、cosθが正しく抵抗を表しているが、物理的に、電流の長さが電圧の長さよりも小さい図が書くことができないので、その場合には、縮尺を変えて下図のように表記せざるを得ない。その場合には、角度と対応していない。角度にこだわらず、コサイン=斜辺÷もう1辺 と思えば、問題ない。


表記法2は、抵抗=傾きを感覚的に重視したものである。縦軸が電圧なのはそのままとすると、横軸方向が電流となる。抵抗(図でいうライトやプロペラ)部分の横軸方向の長さが、電流となる。この部分が、若干理解しづらいが、それを受け入れれば、統一的な図が書ける。抵抗の大きさと傾きの大きさが、大小関係も一致して対応しているのが、わかりやすい。さらに、表記法1では電流と電圧の大きさの縮尺が変わるケースもあったが、表記法2においては電流の大きさが電圧(の数値)よりも非常に小さくても図が描けるので、グラフの見栄え(扁平)さえこだわらなければ、正確な図が書けて、tanθで表すことができる。グラフの見栄えを調整した場合には、縦横の縮尺が変わるが、表記法1のように、タンジェント=縦÷横 と考えれば、まったく問題がない。


ということで、素人が知ったかぶりして書いた図であるが、色々なご指摘を受けてさらにブラッシュアップしていきたいと思っている。

私がネットで検索しても、このような図化するものは一切見つけることができなかったが、先人がいれば、それもご指摘いただきたい。タイヤの再発明をして鼻高々になりたくないのである。

新しい発想による新幹線の搭乗方法

いつもこのブログで言っている、思考訓練である。思考訓練ができれば、色々なものの見方ができるようになり、わかりやすく言えば、発明にも繋がる。

これも以前のFacebookのエントリーであるが、球出しして散らかした後、フォローしていなかったのでまとめておく。さらに、友人iと不定期に行っている思考訓練の成果も披露したい。

【飛行機の混雑緩和の搭乗方法】
飛行機の搭乗時の混雑緩和のための搭乗方法のルールは、ANAとJALで異なることを最近知った。JALは、座席の後方と前方で順番を分けているが、私はそれでは混雑緩和に余り意味がないと思っていて、窓側と通路側で順番を分けたら良いのにと思っていたら、ANAがそれを採用していた。私は基本はJALしか使っていなかったので、知らなかった。

とはいえ、JALがそれを採用していないのは、ANA方式は意味がないときちんと判断してなのか、よくわからなかった。

友人に紹介されたサイト(下記リンク)で、そのことを検討している。対照実験ができていないので、学術的に見て文句のない実験とまでは言い切れないが、良い線は行っていると思う。可能であれば、誰か研究者に混雑モデル等でシミュレーションしてもらいたい。

搭乗時間が最も短い搭乗順は?後ろから順に搭乗するのは効率が悪い?(リンク)

やっぱり、窓側と通路側では効果がありそうだ。これ以上は、他人が既に検討済みなので、いくら書いても二番煎じになるのでやめておく。

【新幹線の混雑緩和の搭乗方法】
私が以前から思っているのが、新幹線の乗車時の混乱をどうやって最小にするか、という点である。飛行機よりも複雑な面もある。ただし、全員が着席しなくても列車は動くので、実際には余り問題にはならないが、苦痛が減るのであれば、検討する価値はあるだろう。

新幹線の乗車時の混雑の分析
・窓側と通路側での交錯(飛行機と同じ状況)
・大きいトランクなど大型荷物が存在する(飛行機にはサイズ上限があるが、新幹線にはない)
・出入り口が車両の前方と後方があるため、すれ違いが発生する。(決定的な違い)
・さらに、同じ車両内だけでなく、別の車両に移動したい通過交通も発生する。(決定的な違い)

通過交通については、駆け込み乗車のような場合にはあり得るし仕方がない。でも、その場合には、5分ぐらいデッキで待ってから、移動してもらいたいが、モラルに依存するのはシステムとしては不完全なので、その選択肢は無しとする。

通過交通については、ここでは考えないこととする。

新幹線の場合、私のこれまでの観察では、前行きと後行きのすれ違いが、大きなネックになっているように感じた。これをなくすことができれば、乗車時の混雑緩和が大きく進むのではないかと思う。

議論した友人は、新幹線の場合、座席が進行方向の前よりか後ろ寄りかは座席番号を見ればわかると言うが、それは結構マニアックでもあり、瞬時にはわからない。上りと下りで、それは逆転するので、それもわかりにくくしている。

私は、次のような過程で思考をした。図はまとめて後部に示す。図では、簡単のため、1車両の座席を10列としたこと、全ての車両の座席数を同じとしたことは、ご了承いただきたい。

1)座席番号が、何番から何番は、前側入口から乗る、何番から何番が後側入口から乗る、というアナウンスや掲示を行う。問題点:乗客に、座席番号を確認させて、アナウンスに従わせるのは面倒。特に、1車両にある2つの出入り口が、前寄りか後寄りかの判定が難しい。

1)は次のような改善ができる。

2)切符に、座席番号の表示の他、出入り口名も表記する。その際、出入り口名を、固有の番号にする。仮に7号車の前後の出入り口を、それぞれ、7A入口、7B入口、等と書いておく。メリット:言われたとおりに乗れば良いので明確である。問題点として、7Aと言われても、7Bでも乗れるのは感覚的にわかっているので、根絶はできないかもしれない。ここは好みの分れるところ。

2)の方法は、ルールで縛る日本的対応であり、まだまだ工夫の余地があるように思う。私は、自然と人間が合理的に判断して、結果として自然にそうなるというシステム作りが好きなのである。

現状の制約条件をなくすと、車両の出入り口を1つにすればよいのでは?という考えも出てくる。ただし、2つの扉を1つに減らすと、時間当りの乗り降り人数が低下することで問題が出てくる。

3)前乗り、後ろ降りというルールを導入する。考えは良いのだが、運送容量が低下するので、無理ではないだろうか。ただし、実際には降りるのを待ってから乗っている現状なので、降りるのを待つというロスがないので、これがベストかもしれない。始発駅で混雑するので、始発駅と、それ以外の駅で対応を分けても良い。

とりあえず、始発駅で、という条件の最適化を考えてみよう。

4)ハードウェアをいじって良いという条件であれば、車両の両端の扉を廃止して、中央に1つの扉を設置するように改造する。乗り込んだら座席番号に応じて左右(前後)に分れて進むので、1方向の移動となり混雑は緩和されるだろう。ただし、3)と同様に、運送容量が厳しい。

運送容量を考えると、1車両に2つの扉が必要、というルールは外せないように思える。しかし、それでも一方向の移動を実現したい。できれば、細かいルールは煩雑になるので、単純明快なルールや番号付が必要である。

そこで、発想の転換である。

5)1車両を前後2つに分けるのだが、それを、大胆に、独立した車両と呼ぶのである(論理学的な車両を作る→わかりやすく言うと仮想の車両を作る)。すなわち、16両編成であるが、物理的な1両目に、1号車、2号車と仮に名前をつけて、2両目に、3号車、4号車と名前をつけて、最終の16両目は31号車、32号車と名前をつけるのである。すると、大抵の場合には、自分の切符に書かれた号車の入口に並ぶので、その後人間が判断せずに、無理なく2)のような誘導ができるのである。

物理的な1つの車両であるが、2両として管理するのである。

さらに、それを考えると、もうひとつバリエーションがある。

6)物理的な3号車の後半と、4号車の前半を、(論理的な)新4号車として名前をつけて、座席番号も定めるのである。車両の中央の方は、3号車の最後尾と4号車の1列目が隣り合うが、それは全く問題ない。乗り込んだときに、右側に行くか、左側に進むかは、座席番号で判断する必要が出てくる。

6)が面白いけれども、入口での判別が必要となるので、5)がスムーズであろう。6)で外壁に塗装で、あたかも物理的な車両の中間に、連結部があるように見せると面白い。

7)5)の場合、1つの物理的な車両の中に、1列目が2つ存在するので、間違えて座ってしまうリスクもある。そう考えると、1号車は1~5列、2号車は6~10列、という風に、使う番号を分けて、重複しないようにしても良い。実際にはそれで問題が起こることはないだろう。号車、というのが、座席のある車両、とともに、扉の位置を表すのだが、重複がなければ問題は解決するのであるから。あとで思いついたので図は省略する(図を作り終えた後で考えついた)。


「論理的車両」言い換えると「仮想車両」。面白い概念ではないだろうか。




東へ西へ

産官学を巻き込むあるプロジェクトが佳境に入ってきた。 ちょっと早めに4時起きで出勤し、色々と庶務を行っていたところに、大阪の地震。高松、RC3階建ての1階の教員室では、初期微動っぽい物音でこれは来るなと思ったところに、1回ドンと揺れて終わった。 iPhoneの緊急地震速報...