2013年8月25日日曜日

わかった

私のブログのページ毎の閲覧数で、いつも必ず上位に来るのが4/20のヨット部の記事であった。

ヨット部の人気が高いのかなと思っていて、部活の顧問が終わると、できるだけ早く書かねば、というプレッシャーにもなっていたが、それは違うのではないかと気付いた。

Googleで 「香川高専 林」 と検索すると、一位に来るのが、4/20のヨット部の記事であった。単に、私を検索していただけかもしれない。

このキーワードで検索したら、ホームページのトップページが来てほしいのであるが、特に何も対処をしていないので、それは仕方がない。ただ、どこのページを訪れてもトップページにはすぐたどり着けるようにリンクは貼っているので実質問題ないであろう。

よって、ヨット部の活動報告のエントリーは、今後頻度が減るかもしれない(笑)。写真は毎回同じような構図になってしまうので。

香川県庁舎 ガイドツアー

丹下健三設計 香川県庁舎 のガイドツアーに参加した。


完成後55年経過ということで、今日改めて聞いたら、東京タワーができた昭和33(西暦1958)年6月の1ヶ月前の、5月に完成ということで、驚いた。

三丁目の夕日の映画は見ていないのだが、これから成長が始まるのどかな古き良き日本、ということだったと思うので、その時代に、モダンで今でも色褪せない香川県庁の構造物が存在したとは!

生憎の大雨であったが、昨日、香川県立ミュージアムの丹下健三展で感動した身としては、感動が冷めないうちにと、定員20名のうち残席1席のところに滑り込んだ。もう一つ、コンクリート構造物を調査する際には、雨の日または雨上がり直後がよい(漏水などが見えるので)、という、原則を適用しただけである。

特に土日は館内に冷房はきいていないので、夏場は蒸し風呂になるという情報を得ていたので、明日なら絶対に涼しいはず、という目論見もあった。

またまた、前置きが長くなったが、心意気は感じていただけたと思う。




上記写真は、県庁の全景(当時の、高層棟)。今は、遠くから全景を望める場所は少なく、特に今日は雨だったので周囲をウロウロしなかったので、これが、一応全体を映した唯一の写真となる。左奥に見える白い高層タワーは、新館で、これも丹下健三グループが設計したという。

さて、8階建ての鉄筋コンクリート建築は、当時西日本最大という。写真では、9階建てに見えるのにはからくりがある。(初出時、階数を1階分少なめに間違っていました。修正します。8/27)


1階ピロティ(低層棟のピロティ)から見た、高層棟の正面玄関。
これだけ広い空間が、圧迫感もなく存在するのが、今の建築に慣れた身としては当たり前かと思っていたが、「三丁目の夕日」の時代である。

5年ほど前に丹下健三によって設計された、広島の平和記念資料館と同じ、ピロティ構造を採用している。天井がとても高い。(8/27注:初出時、感想が広島ピースセンターそっくり、だけとは、言葉足らずと反省。そっくりかどうかも、私のイメージだけなので、適切でなかった。)


梁、柱接合部。

掲載写真にはないが、前面に位置する柱は、縦と横の長さが異なっている。正面から見て、柱の幅を小さく見せることも工夫している。
高層棟の1階ロビー。広い空間で、誰でも自由に入ることができる、開かれた空間である。猪熊弦一郎による作品がセンターコアの周囲4面にある。

日本庭園。これは、新棟を立てる際に一度撤去して復元したものであるが、基本設計は変わらないという。

室内と外を仕切る壁(窓)は、下部10cmが、ガラス張りで、床が繋がっている。内と外をシームレスにつなぐ効果がある。

屋上。ここもモダンな色遣いとデザイン。

手すりも全てコンクリート。

 屋上から見た庭園。
残念ながら、一部鉄筋も腐食しています。これは手すりなので、かぶりは小さいので仕方がないか。

 屋上にあるタワー。
屋上から見た新棟。
 南を見ると、室山があり、このふもとに栗林公園が位置する。
 屋上に4等三角点があった。

下から見ると9階建てに見えるのは、屋上に立っている回廊。このように雨除けにもなるが、少ない予算で、スリムに見える効果があるという。(階数を修正。8/27)

 和風の建築を思い起こさせる、小梁が外に出ている。
このように。小梁が外へ。薄い部分の幅は11cmと、通常なら考えられない。

小梁は、室内まで連続している。室内の梁はペイントされているが、これはいつからだろうか。

ビルはセンターコアの構造で、さらに周囲の12本の柱とで構造を支えている。そして、その12本の柱の、外側ではなく、内側のラインが、居住空間になっており、壁やガラスがその位置に存在する。室内の敷地は狭くなるけれども、室内の壁のラインが一直線になるので、部屋の使い勝手が良いように考えられているという。なるほど。


色遣いもこだわっています。換気装置ですが、これは黄色。
 別の階は赤。
調度品もこだわっています。詳細は省きますが。

県庁ホール。これは、55年前の完成時から、ほとんどの調度品が変わっていないので、デザイン、色遣いは当時のままだそうです。桂離宮の中身を知らないけど、それをイメージしているそうです。
ロビーの椅子も、斬新。
 ロビーは、このように広々した空間。
これも。


ということで、駆け足で紹介した。

現代建築からいうと、こんなの結構見たことある、と一瞬思ってしまうけれども、実はその先駆けであって、(専門的なことを知らないので間違いがあるかもしれないが)世界がこの香川県庁についてきた、という斬新なものだった思う。

55年を経て、古い建物は通常は、機能的に使いづらくなってきて使えなくなることが多いが、香川県庁舎は、使いづらさはほとんどないという。しかし、耐震的不安要素があり、耐震補強して残すべきかどうかの議論を始めているそうだ。意匠を残したまま、耐震を満たすようにするには、基礎ですべて持ち上げて、免震となるのだろうか。今度は、費用負担の問題が出てくるのは必至である。

今後も注目したい。



私としては、コンクリートの品質を調査したい。開発した表面吸水試験等で。

55年前、ホッパーを使って、棒で突き固めた、との記述があった。これは、水セメント比は異なるが、第一大戸川橋梁クラス(知らない方のために、60年ぐらい前に作られた、今でも現役のコンクリート鉄道橋。品質がピカイチ)になるのではないか。


別の記述
 昨日の丹下健三展に参加レポ
 香川県庁舎紹介のビデオ、等の資料情報
も参照いただければと思います。

ビデオを見た昨日は、そのビデオも秀逸なので、ツアーに行かなくても疑似体験にはなるかと思いましたが、スケール感はやっぱりビデオではわらなかった。実際に、室内の部屋のフロアに入らせていただいて、フロアの大きさがよくわかった。ツアーに参加する人も、事前にビデオを見た上で、ツアーに参加する、というのが予習となって良いと思う。

2013年8月24日土曜日

高松モデルコース

9月に、立て続けに、土木系の知人が2組来るので、以下のモデルコースを考えてみた。

9/23まで限定で、コンクリート寄りに偏っていますが、出張で1泊のみ、という場合、現時点でベターな高松観光コース。


前日は、観光できずに、宿泊だけした場合。ホテルは、素泊まりで、朝食は食べない。


午前
5:30 栗林公園の散策
7:30 松下製麺所(栗林公園から徒歩5分)で朝うどん。かけうどん小180円、ちくわ天ぷら90円にしておく。

(栗林公園散策は、朝食後でもよい)

10:00 瀬戸内国際芸術祭関係で、
 建築家 丹下健三の設計した
 香川県庁舎ガイドツアー(9/23迄 平日は10:00のみ)
 事前申し込みはこちらから

11:30 さか枝、or、竹清(ちくせい) でちょっと早めのうどん。それ以後は混む。

前日、香川県立ミュージアムに行けていない人は、丹下健三情報のインプット順序が逆になるが。

琴電orレインボー循環バス に乗って、
香川県立ミュージアムで開催されている「丹下健三展」(9/1迄は20時閉館だが、9/2から17時閉館)へ
 10:30、13:00、15:30、(18:30 9/1迄) からスタートの約60分間での説明員さんのガイドを聞いた方がよくわかるので、それに合わせて乗り込むこと。
(開館の9時以降、本日のガイドが時間通り開催されるか聞いておく方がよい)

ガイド説明が先でも、自分で見るのが先でも、どちらでもよいと思う。ガイドは急ぎ足なので、結局2回まわった方がよい。


丹下健三展は前日に行っておくと、県庁ツアーも楽しめるように思うが、9月に入ると17時閉館なのは工程上つらい。


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香川県庁舎について

YouTubeに掲載されている、香川県庁が作った動画。
内容も詳細まで良く出来ています。建築の専門的なことも平易な言葉で説明しています。ちょっと技術がわかる人が見ても楽しめると思います。香川県庁を題材に、丹下健三を語った秀逸なビデオだと思いました。

 生き続ける魂 香川県庁舎建築ストーリー 1/8
 2/8
 3/8
 4/8
 5/8
 6/8
 7/8
 8/8

香川県庁舎ノート
 こちらの研究紀要7 の資料がよさそう。
こちらはまだ読んでいません。


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丹下健三の作品で、有名なものでまだ行っていないのが、
東京の
東京カテドラル大聖堂

平日朝7時のミサがあるということで、参加してみることにします。
再来週の出張で、東大でデータベース委員会の報告会があるので、朝早く出て、カテドラルを見てから、委員会報告会に間に合うことを確認しました。

スケジューリング、大事ですね。

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丹下健三展で紹介されていた別の建築家の作品 坂出人工地盤  が気になる。
http://allxa.web.fc2.com/a-map/jp_kagawa/index_kagawa.html
いかねば。

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建築家 丹下健三展

(末尾に追記有り)

香川県民にはいまいち盛り上がりに欠けているという報道も聞いていた、セトゲー(瀬戸内国際芸術祭)2013に関連して、建築家の丹下健三生誕100周年プロジェクトとして香川県立ミュージアムにて、「丹下健三 伝統と創造 瀬戸内から世界へ 展(9/23迄!)」が開かれている、のをつい最近意識した。

http://www.tange100.jp/


これを知ったのは、8月頭に北海道出張帰りの高松空港内にポスターが貼られていたためである。そういえば聞いたことあったかも、と思って3月に入手した県のパンフレット(昨年末発行、丹下健三特集)を紐解くと、8月末に記念シンポジウム予定、とあったので、ウォッチすることにした。

お盆休みに1週間帰省していて、帰ってきて調べてみると、なんと、2日間の丹下健三記念のシンポジウムが、実はお盆に行われていて、昨日終わったばかりというサプライズであった。8月末(予定)となっていて、結局は8月中旬になって確定していたのである。HPで調べればよかった。

セトゲーは、春、夏、秋、に分けて行われており、3月頃は頻繁に報道していたのだが、結局よくわからないまま春季が過ぎ、夏季に突入していた。県内に住んでいると、職場と自宅の往復をしていた身には、このような情報が入っていなかったのは確かである。

丹下健三展、そろそろ行こうかな、と思っていたところ、横浜国大のK君が高松に来る予定との報告を聞いて、せっかくだから丹下健三展行ったら?とは紹介したものの、自分が行っていないので強く勧めてよいものか疑問に持ち、さっそく週末にやってきたものである。

前置きが長くなった。


丹下健三。恥ずかしながら、コンクリート打ちっぱなし建築で有名な人、有名な建築物の名前と作品は一致する、というくらいしか知識がなかった。

香川県庁舎の2つ隣の高校に通っていたので、丹下健三が設計したという事実は知っていた。香川県立体育館も有名なノアの方舟のような、オリンピックのあの代々木体育館に似ている建物で、ということも知っていて、中学校総体でバスケの試合などで何度も利用したことがあるという、ちょっとした親しみは持っていた。

9時の開館に合わせて入場し、1度一人で全部を見たら80分経過。丁度10時半から、専門職員の解説があるということで、それにも参加してみた。予定の1時間を超過して職員の解説が終わって、合わせるとたっぷり3時間弱過ごした。

一部、解説者の方の言葉も踏まえながら感想を記してみる。

彼が高校時代に雑誌に載っていたルコルビジェの建築を見て建築家を志し、故郷である今治、広島の戦争の原体験を経て、広島の原爆記念資料館を作るに至った。個々の建築物だけでなく、軸線を意識した力強い建築。無脊椎動物から、軸線という一本筋の通った骨を持った、脊椎動物への進化、だそうだ。

丹下風という言葉がない(ということも知らなかったが)ように、常に最新の技術を取り入れながら、他人の良いものはどんどん吸収して、常に変化しているという。

香川県知事 金子正則 も変わり者で、香川の地に、いろいろな有名建築ができていく。そして、丹下健三もその時々の建築の際に、イサムノグチ、猪熊弦一郎、などの美術家とも出会って、彼らと一緒に創造していく。直接の弟子や、プロジェクトに携わった人が、今度は瀬戸内で有名な建築家として育っていく。香川庁の建築課の職員 山本忠司 が触発されて(?)建築家になるなんて、面白い話だが実際に起こっているというのも素晴らしい。そして現在では世界で評価されるようになって、原題のような、瀬戸内から世界へ、へとつながっていく。

瀬戸内国際芸術祭には、まだ参加していなかったが、ちょっと覗いてみたい気になってきた。

丹下健三は、生前は自身の展覧会は望まなかったようで、実際に大々的にこのような会が催されるのは世界で初めてという。また、これが、東京や大阪などの地方(笑)で開催されることはないという。9月23日まで。土木、建築、コンクリート、に携わっている方は、これだけのためにも、ぜひ来県される価値はあると断言する。

この開催は、丹下健三のお弟子さんたちや、今日本で活躍中の建築界の方々が協賛して作られているようである。建築模型が、○○大学●●研究室などで作られているのも一緒に展示されており、これもまた、精巧に良くできている。虫眼鏡を持ってきてもよいぐらいである。

東武ワールドスクエアのミニチュア建築は、双眼鏡(望遠鏡)を通して見ると実に面白い。ファインダー越しに望遠として覗いたり、逆にして覗くと広角になって全体が見える、等。今回も、明らかにマニアであるが、持ってきてもよいかもしれない。次回来ることがあれば、持ってこよう。絶対に挙動不審で声をかけられるが。

メモ帳と鉛筆も必須である。なお、ボールペンを出してメモしようとしたら、学芸員の方に止められた。ボールペンは誤って作品の上に落としたら、作品を汚すリスクがあるので、と、代わりにお持ちの鉛筆を貸していただけた。

展示No119 香川県庁舎建設の際の、「香川県庁舎本館議会議事堂新設工事設計図仕様書」に書かれていた一節。

特-12 (四)打放し「コンクリート」工事特記事項
1 型枠工事
Ⅰ 一般事項
(イ)従来の「仮枠」の概念を廃し、「鋳物」を作る様な心得で正確な「型枠」の作業に努力すること。従って大工の選定には十分注意し・・・・・

コンクリート打ちっぱなし建築の丹下健三の思いが詰まっているのではないだろうか。

なお、高松の地元業者「森本組」がコンクリートの施工をしたという。大林組の下請けとしてだったそうだが、そこで鍛えられて、その後も全国の建築工事で活躍した、という。
そういう、展示には書かれていない、周辺情報も解説されていた。こっちも脳みそフル回転で、逃さぬように聞き入ってしまう。終了時には、お客さん20人ほどから拍手を受けていた。

その解説者のIさんは、県庁職員とおっしゃっていたので、建築課の方かと思って、挨拶したら、文化振興課の方という。趣味が転じて、というか、解説内容もポイントも的確で、とても素晴らしかった。

解説は、10:30、13:00、15:30、18:30(9/1以前は20時閉館。9/2以降は17時閉館のため注意)に、約1時間かけて行われる(たまに休みの場合もあるので、当日telで確認した方が良いという)。展示だけではわからない全体の流れ、裏話も聞けるので、ぜひお勧めする。これは急ぎ足なので、やっぱりじっくりと一人で見てみたいので、合わせてやっぱり2時間以上かかる。

これを見ると、これを聞くと、香川県庁に訪れたくなる。これも23日まで、香川県庁のツアー(予約制)があるので、私もこれから申し込みたい。私は平日しか無理そうなので、午前有給休暇を取ってでも参加したい。

関連する建築家による、瀬戸内の建築を紹介するコーナーもあり、これを見てから豊島や直島に行くと、さらに面白いかもしれない。

追記1)
香川県庁舎ガイドツアー に申し込んだ。私が可能な日は、2日間しかなく、迷ったうえ、明日の午前。雨なので、場合によっては、写真写りを考えて、もう1日も申し込むかも。

追記2)
この丹下健三展の図録集は、8月中旬に完成したという。展示は7/20からだったので、むしろ丹下健三に興味のある方で既に行った、という方は、入手できなかったのでは。価格は3300円で、図録だけでなく、前半はゆかりのある方々の丹下論が繰り広げられている。買った。
改めて調べてみると、図録集の位置づけではあるが、一般図書扱いなので、一般でも入手できるようである。

 

2013年8月22日木曜日

田辺朔郎

これまで明治時代の土木技術者 田辺朔郎 について、琵琶湖疏水建設の若い頃までしか知らなかった。すなわち、田村嘉子「京都インクライン物語」の知識しかなかった。この本だけでも、心を揺さぶられない土木技術者はいないだろう。

一昨年、著者の田村嘉子さんが逝去されたのを機に、著作をほとんど注文した。大抵の本は絶版になっており、中古で買い集めた(amazonでポチッとのみですが)。


この夏苫小牧に出張に行ったこともあり、1年ぶりに積読になっていたその本を開いた。

田辺朔郎の壮年期、日露戦争を前にした富国強兵の時代に、日本の発展のために北海道に鉄道を結ぶという一大プロジェクトを成し遂げる姿に、ハラハラしながらページを読み進めた。総理大臣、政治家など、錚々たる名前が出てくる中、その政治家と遣り合ったり、国会で答弁したり、そして北海道に戻れば、鉄道建設を指揮するとともに、雪の中遭難しかけながら自分の足で路線を決定する。狩勝峠の命名者でもある。

久しぶりに土木系の本を読んで、改めて勇気が湧いてきた。ぜひ、京都インクライン物語とセットで学生に読ませたい。

コンクリート技術者であれば、この本にリアルタイムで出てくる広井勇が、小樽に防波堤をまさに作らんとしていることも心を躍らせるだろう。





北海道開拓に詳しくない人には、次の本もお勧めする。

吉村昭「赤い人」 明治時代、北海道開拓を進めるために、日本中の囚人を集めて道路を作った過酷なドラマ。この内容も踏まえて、本書を読むと、その事業の重みをより理解できると思う。



そして、時代を知るには「坂の上の雲」も。

エア謹慎

8月は元気がなかったように思います。いろいろ波はあるようです。

でも、人と出会ったり、旧友と改めて話をしたりすると、元気になります。先日も高松の高校時代の先輩に飲みに誘われて、沢山、話をしてきました。彼は、高松で実家の会社を経営しており、私とは立場は違いますが、会社の経営、従業員のマネジメント、そして自己マネジメントなど、結局は普遍的で、通じるものがありました。この手の話は、もちろん横浜でもたくさんしてきましたが、大きく違っていたのは、高松という地方とどうやって付き合っていくか、でした。高松に限定されることではありませんが、地方都市となると、必ずしも、合理的な考えだけでは進まない何か、があって、それにどう対処するか、も真剣に考えなければなりません。この辺は継続審議として。



さて、タイトルは謹慎とありますが、別に悪いことをしたわけではありません。元気がないというのも、この点は関係ありません。

前の話になりましたが、8/5~7に、北海道に出張に行ってきました。高専のイベント、アジア学生高専体験プログラム、が今年は苫小牧高専で開催されており、来年が香川高専で主催することが決まっており、そのための視察の一行としてです。

現地の先生によると苫小牧でもここ数日は例年にない暑さということで、期待したほど涼しくはなかったですが、高松と比べると明らかに涼しく、快適に過ごせました。

夜暑くても絶対に窓を開けて寝るな、と強くおっしゃっていました。やっぱり朝方は冷えます。何名か、体調を崩された参加者もいたようです。

このプログラムは高専を知ってもらう、できれば留学してもらう、という地道な活動です。アジア圏から10校の高校や大学から、数名ずつ来てもらって、1週間弱、学生寮に泊まりながら、いろいろ高専やら日本やらを体験してもらう内容です。私は、今香川高専で、寮務主事補という役割を担当しているので、寮関連について視察したのです。

せっかくの機会なので、1泊は、寮に泊まらせていただくことにしました。私が寮務担当ということで、先方の宿直室を用意いただけるということでしたが、結果として、宿直室の隣にある、「謹慎室」という名前がついた部屋に泊まることになりました。

香川高専にはこのような部屋はないのですが。詳細はともかく、中から鍵がかからず、焦りました。寝るだけだし、安全は確保されているので、別に隠すものは何もないので、何てことはないですが、貴重な体験をしました。まな板の鯉、をちょっと思い浮かべました。



さて、本日(8/22)も、わが職場香川高専の宿直にあたっています。17時宿直スタートです。これを書きながらも宿直中です。寮の正式な開寮は9月からなのですが、夏休み期間中は部活やら学内イベントのために、希望者だけ1週間前の今日から特別開寮ということで、入ることができます。ただし、食堂の営業は開寮まで待たなければならないので、食事は自分で持ち込む必要がありますが。

教員専用の風呂トイレ、テレビ、そしてネット回線もあるので快適ではありますが、通常の時期は、寮務主事補をしているので色々ミーティングなどがあり、一人になれる時間はあまりありません。

今日は通常の1割程度しか学生はいないので、とても静かです。気分は積極的な「謹慎」です。英語論文の査読依頼など後回しにしていた業務を限定して持ってきているので、それに専念するためです。

定時の見回りや点呼をきちんとこなし、たまっていた業務を処理したいと思います。

2013年8月21日水曜日

オープンキャンパス

8/10(土)に香川高専高松キャンパスのオープンキャンパスを実施した。各教員が実験などを含んだ模擬授業を行う形式である。他のコンクリート系の先生と一緒に、昨年までと同じ内容で臨ませていただいた。私が説明の主担当で行った。70分の講義が4回あり、結構ヘビーである。

さらに、別途、自由見学ツアーの方々(主として保護者)が来て、1回5~10分ほど概要説明をするのを6回、という合計10回話す必要がある。


数分で硬化するジェットセメントを使って、コンクリートの文鎮をつくる、というものである。素晴らしいことに、過去に、シリコンを使って、本物の野菜をかたどった型枠が多数準備されており、それに流し込むだけで、立派な野菜型文鎮ができるものである。

今年は赴任初年度で勝手がわからなかったのだが、来年はもっと経験を積んでオリジナリティを発揮したいと思いながら臨んでいた。

数年前、私が所属していたJCI(日本コンクリート工学会)関東支部でも、小学生コンクリートという、コンクリートを粘土細工のようにして工作をする出前授業を小学校で行ったことがあり、その経験も役に立ちそうだ。


 ピーマン(左)とミカン(右)の色付け


昨年通り型枠に詰めるだけでは来年につながらないと思い、決められたメニューを消化しつつも、今回サポートで参加してくれた、学生で手が空いている者に、用意された型枠でない別のコンクリートも作らせてみた。できたのが、iPhone。だから何だと言われそうなので、もう少しひねりが必要である。



もう一つ、前日に思い立ったのが、ジェットセメントの発熱を利用して、温泉卵ができるのではないか、ということ。前夜にスーパーで卵を買い、 当日の講義に組み込んでみた。午前中には仕込みだけで間に合わなかったが、昼休みに試しに成功し、午後の2回は即興で実施してみた。

型枠にコンクリートを二層に詰めるときに、途中にラップにくるんだ卵を入れる。周囲を断熱材で覆っておくと、コンクリートは60度ぐらいには発熱するので、練り混ぜから60分で、テストピースを圧縮試験機で破壊し、卵を取り出す。

すると、ちょうどよい塩梅で温泉卵ができた。 円柱の割裂で中身を取り出すしぐさが、あたかも卵を割る仕草と似ているのが、見ていて微笑ましい。




ということで、色々とバリエーションはできそうな気がする。

実は裏で苦労はしていて、冷蔵庫でキンキンに冷えた卵では熱が足りないかもしれないと思い、直前まで40度で温めていた。もちろん、この段階では全く固まっていない生卵なので、うそではなく演出の1つである。

お約束として、卵は全て番組スタッフが美味しくいただきました、と記載しておく。

無駄に遊んでいるわけではなく、こういう科学実験的なことを通じて、きちんと教育できれば、そちらの方が価値があると信じている。

ブログの移動(に近いもの)

表現活動の主体をnoteに移行しました。時間をかけた論考などはnoteに集約するようにします。こちらのブログはアーカイブとして残しますが、過去に力を入れた執筆したものは、再編集してnoteに投稿することもあります。 https://note.com/hayakazuh このブログ...