2020年5月3日日曜日

Webカメラの代替ツールの検討

テレビ会議のためのWebカメラが不足している話が駆け巡っているが、それについて書きたい。

研究室では数千円のWebカメラを7年前に購入していたので問題ないが、自宅でもできる体制をと思うと1台欲しいが今は品薄で手に入りにくいので仕方がない。

私は自宅の仕事にPanasonicのLet’s note CF-MX5を使っているが、画面が小さいため、外付けモニタに出力してノートPCの画面は消している。PCの設置位置もアームで浮かせたモニタの下に置いているため、カメラ部分が隠れてしまっている。下記の写真の通り。



ちなみに、最近のノートPCの内蔵カメラは結構綺麗で、と思っていたら、この機種はfull HD出力のスペックではあるが残念ながらもやがかかったようにピントも甘く、感度も低かった。余り使えないなぁと。

それともうひとつ死活問題なのは、我々は教員として遠隔授業をする必要があり、そのためのコンテンツを作るために、手軽に向きが変えられるカメラが欲しいのである。現時点の遠隔授業形態では、黒板の前に立ってそれを録画するいうことは私はしないが(している先生もいる)、実験の様子や手作りした力学模型を表示することを想定している。


他のツールで代替できないかなと思っていたら、案の上、その道に詳しい人たちが集うPC Watchで紹介されていた。

まず1つめ。スマホをWebカメラとして使う方法である。
Webカメラが品切れでもOK? スマホをWebカメラとして使える「iVCam」を試してみた」詳細はリンク先のとおりであるが、そもそもiPhoneをはじめスマホのカメラは性能が良いので、これは使える。試用してみたところ、手元に古いiPhone6が2台余っているので、wifiでなくUSBケーブルで接続したところ、画質は全く問題ない。スマホに依存するがズームなどもできる。音声も使える(初期値は音声はoffのため設定でonにする必要あり)。




試用時にはiVcamのロゴが入ってしまうし、何か操作の度に広告が全画面表示されて(PC側のWebカメラには広告は入らない)煩雑なので、これを使うようになれば、1220円のアプリ購入は買いだと思っている。

他にも調べると、iVcam以外にも同じ趣旨のアプリは存在するようなのだが、決め手がよくわからない。今のところ、これにしようかなと思っているところである。

【後日談→実際iVcamのアプリを購入した。現役のiPhone、古いiPhone2台の計3台を同じAppleIDで運用しているので、一気に3台に増えた。問題ない。一瞬前面カメラが使えないと思ったら、解像度が後面カメラの解像度に設定されていると前面カメラは選べないようだった。自分の画像も確認できるので私は前面カメラが良い。フラッシュの常時点灯もできるので、色々とカスタマイズできる。さらにテレビ会議によっては、カメラの左右の入れ換え設定が(テレビ会議システム上から呼び出して)できないものがあるようで、このiVcamは、スマホ上やPC上のアプリから変えておけばそれがすぐに反映されるので良かった。買って良かったと思っている。】

ただ、もっと大事なのは、スマホを固定する装置を購入することである。なかなか安価で良いものはないが、私のお勧めは、100均で売っているスマホ三脚の上部の固定部分だけを使うのである。これの根元は、普通のカメラ三脚用のネジ孔になっているので、それを既存の丈夫な三脚に固定するのである。上記の写真は、昔に購入した、ペットボトルの蓋の上からはめこむ三脚ネジ。これと100均の上の部分に組み合わせている。


そこに来て、本命の情報を得て興奮している。
同じくPC Watchの「キヤノン機をWebカメラ化する「EOS Webcam Utility Beta」導入レポート
愛機Canon EOS Kiss X9がそのまま使える。すごいものを開発してくれました。嬉しすぎて、観音さまと拝みたい【←わからない人はスルーして下さい。キヤノンの語源が観音様からきているの言いたかった】

先ほど試用してみた。素晴らしい。テレビ会議上で写される映像は普段見るデジカメの写真と変わらないくらい細かい。三脚に固定すれば、色々な使い方ができる。



うちの学校は、Microsoft Teamsを使ってテレビ会議をしているので、そちらの画面で紹介する。

次が、レンズを望遠側にして、テレビ会議上に表示された画像。ただ、これはカメラから出てきた画像を表示させているだけで自分側の画面、実際にネットの向こうで見られる画像が精細かどうかまでは検証ができていない。威力はわかって戴けると思う。効果がわかるように、望遠200mmのとき。右手で「土木偉人かるた」を持ち、左手でPrintScreenを押して得た画像。



次に、一眼レフカメラとPC内蔵カメラの比較をしてみたい。Teamsの1人テレビ会議をして、画面を録画したものからとってきたものである。Teamsの録画は、自動的にデータ容量を落としているのでノイズが目立つが、それはカメラの性能とは関係ない。


↑ Canon EOS Kiss X9を接続した例

カメラのイメージをつかんでもらうため、ズームレンズの100mmぐらい(35mm換算で150mm程度)に設定して1.5mぐらい離れて撮影している。望遠寄りなので、背景が適度にボケている。

カメラがリアルタイムでオートフォーカス(ピント調整)をしてくれており、イメージとしてはビデオカメラが接続されていると思った方が良い。

毛穴まで見える解像度、と思う。実際、「土木偉人かるた」の「古市公威」のひげまで表現できている。

ただ、カメラの電池を食いそうである。電源接続のツールは持っていない(バッテリー1台を外付け充電器で充電)のため、実際に長時間使うときには追加購入が必要で考える必要が出てくる。バッテリーを1個追加で廻していくのが現実か。

次に、画質の比較として上記レッツノートCF-MX5である。元々、なぜか内蔵カメラがもやがかかったようなので、ノートPCカメラの代表格ではないのはわかるが、これしかないので比較する。ちなみに、同じぐらいの大きさにするには、カメラとの距離20cmであった。

焦点が合うので、後ろの壁まで見えると思う。背景をぼかす一眼レフと大違いだ。

↑ Panasonic CF-MX5の内蔵カメラの例

毛穴まで見えないし、先ほどはよく見えていたひげが見えない(笑)。

【実際に使ってみた。バッテリーがフルに充電できていない状態で4時間のzoom飲み会に突入した。1時間充電して1時間の駆動がやっとだった。バッテリーは、購入後2年経過したもの。会議で使う場合には確実な電源の確保か、バッテリー切れになったときの代替カメラを用意しておくと良い。私の場合、上述のスマホ+iVcamはスタンバイしていたので切り替えることができた。】


もうひとつ、ツールがあった。

以前から、書画カメラを研究費で購入し自分専用に使っていた。模型を使った授業や外部の講演で手元資料を写したいニーズは多数あるからだ。超小型で(土木偉人かるたの箱が大きいのでは決してない)、HDMI出力とアナログ出力があることを重視して買ったのである。ずっと頭にはなかったのだが、USBで接続してWebカメラとして扱えたのである【それを思い出させてくれた神戸高専の福井先生に感謝】。

エルモ社のモバイル書画カメラ MO-1
今は廃盤になって後継のMO-2であるが、エルモ社(リンク)では色々な種類を出している。安くないが、長く使えるツールなので、特に教育機関におられる方は是非個人所有されるのをお勧めする。


↑ エルモ MO-1(写真の収まりのために、アームを曲げている)

小型なのでこのままでは高さの制約がある気もするが、何か椅子のようなものの上に置けば高所から机の上の手元を写すなどができると思う。


他に、デジカメ、デジタルビデオカメラもそれぞれUSB端子があったので、時間があれば試して続報を追記したいと思う。

【→研究室で所有していた、SONYのハンディカムHDR-PH630Vは残念ながらUSB接続をしてもWebカメラとしては対応していなかった。】

ということで、ツールの紹介ばかりになってしまったが、大事なのはコンテンツ、どういう授業をするかである。これは試行錯誤しながらベストを尽くしたい。

実際にできた、という報告なので、オリジナルの記事を上回る情報は含まれていないが、全国で試行錯誤していると思われる大学・高専の先生方の何かの参考になれば。


宣伝で申し訳ないが、トランプの遊び方を開発したので、Stay at Home 用にこちらも参考に見ていただければ幸いです →トランプの遊び方を発明(リンク)

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