2011年4月17日日曜日

津波調査 4日目 志津川~松島

前日は気仙沼まで来た辺りで暗くなり、市街地の調査はできず、帰路へ。小泉海岸(小泉、津谷)で、内陸部に入って多賀城へ向かった。

4日目の本日は、多賀城から北上しながら、気仙沼まで行くことを計画するが、結局は、志津川町を見て、終了。

朝、ルートイン多賀城の6階から外を見ると、すぐに海が近いことがよくわかる。概ね片付けはすんでいるが、空き地には、つぶれた車が並べられている。



出発。市街地は腰ぐらいまで浸水しているため、概ね店舗は休業。コンビにも閉まっているところが多い。何箇所目かで、昼食の買出し。

塩竃を過ぎ、松島町へ。山の展望台にのぼり、見渡す。逆光と朝のもやで良く見えないが、島々が点在し、津波を弱めていることは良くわかる。

松島の漁港(名前はあとで)。膝下の浸水。

とうな。西側は松島湾、東側は石巻湾に挟まれた低地で、ここも被害が大きい。

途中、野蒜築港の看板が。行けなかったが、野蒜というキーワードを聞いてピンと来る土木技術者でいたい。

鳴瀬川橋梁のフィンバックを横目にみる。

石巻。あたり一面、ひどい惨状。ことごとく破壊。描写する適切な言葉が見つからない。



万石浦。殆ど池のような形状で、静かな海。かき養殖で有名という。コンビニで休憩したが、膝程度の浸水という。ただし、水の速度は出ていないだろう。

女川。これもひどい。町全体がなくなっているようだ。



指ヶ浜で止まって観察するが、計測はせず。その手前の川(御前浜に流れる川)を渡る、今通ったR398は壊れていたよだが、土砂をもって通行はできているようだ。本当に壊れたかどうかは、チェックしていないので不明。

雄勝(おがつ)半島が、調査が手薄ということで、橋の前半はこの半島を中心に調査。途中、地震。雨と雷。半島で5ポイント計測。本日のメインだったが、記録の詳細は後ほど。



北上川へ。北上川へ流れ込む支流の町も浸水。田畑が多いが、全て水がかぶっている。

新北上大橋は落橋。次の橋までは、上流10km。

三陸自動車道が迂回路になっていて、津山町経由で、気仙沼線に沿いながら、R45号、東浜街道を東進し、志津川湾へ。2km手前(上流)くらいから、一体、壊滅。



JR陸前戸口駅は流出。線路は、盛土は流されているが、小さな川を渡るボックスカルバーとは残る。前後の盛土は流出あり。集落の中心部の、南へ行く方の河口部の橋(R398)は流出して、ない。時間無く、調査できず。

志津川湾に沿って北上して、志津川町へ。テレビの報道で何度も見た光景、そのまま。日の入り直前に着いたということ、既に海岸工学の研究者で調査されているということで、計測はしない。ここは、余りにも有名な場所ということもあり、ここに立って、色々と見ていることが、単に物見遊山ではないか、ということと自問自答しながら、見て回る。フレームだけになった防災庁舎も、見える。防災の町ということで、沿岸部には、チリ津波のモニュメントなどが多数あるが、その多くは転倒している。沿岸部で、がれきを燃やしているのか、煙が目にしみる。

気を取り直し、行ける範囲の橋を見る。水門は、閉じられているが、その横の河川堤防が決壊して、外海と繋がっている。下流から2つの橋は健全。



最後、帰る段階になって、仮設橋の部分を通るので、5分程度車を下ろしてもらい、走りながらビデオを回してレポート。R45が水尻川を渡る部分が仮設橋。橋は、2径間で、上りと下りの車線は、桁の構造が別れている(ただし、周囲からは、一体に見える)ようで、左岸の下流の桁が流され、下流側へ転がっている。この部分は、交互通行で渡れる。終了後、周囲の状況、その位置での津波の高さについて観察しなかったことが悔やまれるが、これは、再来週の調査でおこなう。右岸側で、その2径間の橋が終わった箇所が、地盤がえぐれており、通行できなかったのを、架設の橋が渡っている。

ここでも、昨日見たのと同じ、状況。橋はあるのに、橋の機能が提供できなかった。ただし、橋さえ残っていれば、背面の地盤は、応急復旧で土を盛れば渡れるので、必ずしもこのことを強く言う必要はないかもしれない。ただ、いくつかの整備レベルの最上位には、橋も壊れず、背面地盤も壊れず、というものが位置するだろう。

この道路橋の上流の鉄道橋は流される。ビデオに収めたつもり。

帰路へ。

19:10ごろ、古川へ。電気も水も、店舗もあることに感謝。

この辺は、地震の被害も多かったようか、家が丸ごとつぶれているのもあった。


翌日、これを書いている5時38分、少々揺れる。

メモ:
地名の読みは、事前に調べておくこと。現地で共通のコミュニケーションがとれないことは時間の無駄。
地図。広域と詳細。地図帳のいいとこどりでコピーが良いか。
内陸部もあったほうがよい。途中、道路や川の状況をチェックできる。
東北地方の道路地図帳は正解。さらに分県地図も欲しいが、重すぎるか。
付箋は今日も大活躍。
GPS ガーミンは、研究室で買ったほうが良い。
GPSカメラはイクシレム。
通行止めは、事前チェックしていなかった。
風が強い。地形のせいか。
夜は、必ず風呂に入って、体をほぐしてから寝ること。当たり前だが、疲れと戦うのはきつい。今晩はできず、朝、大浴場へ。

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