2011年4月15日金曜日

津波調査 2日目 八戸~宮古

7時半過ぎに八戸を出発。

八戸-久慈間で海岸の調査が手薄になっている地域があるということで、そこの漁港に目的地を定めている最中、橋梁が流出している場所を通り、急遽変更。津波の遡上高さを計測しつつ、私は橋梁の調査。JR八戸線。鋼桁の単純梁の4径間が流され、山側に20mほどのところに転がっている。支承が簡単に外れたためか、柱は健全のようだ。橋梁部とその前後の線路が大きく流されていて、作業員が撤去作業に入っている。まず初めに、流木や倒れた木の伐採がおこなわれていたようで、痕跡が消されつつある。この1ヶ月目というのは、結構ぎりぎりの日程のようだ。

橋梁部は高い場所が存在しないので、直接の作用した波はわからないが、遡上高さの計測でもりかえていく最中に、橋梁のアバットを介すようにしたので、後で比較ができると思う。





その跨ぐ川の50m上流にも、1スパンの道路橋が被害を受けているが、桁は残り、前後のアバットの裏側の地盤が流出して通行止め。狭い河口部に流れが集中したようだ。




次、小舟渡漁港。堤防内は、5m程度の浸水。建物は壊れているが、山側はすぐに標高が上がるので、被害の規模は小さいようだ。流木や瓦礫は撤去されて綺麗になっているので、一見わか
久慈湾北の麦生漁港。急峻な坂を下りると、漁港があるが。コンクリートの土台を残して何もなかった。ただ、これは瓦礫の撤去が終わった状態。しかし、コンクリートの建物の土台の壁面は、大きく速報からの押しぬき破壊のようになっており、激しい衝突が生々しい。言葉を失う。遡上高さを測るが、同行する鈴木先生が斜面を駆け上り、登山、岩登りの様子を呈する。



久慈湾北部の、久慈石油国家備蓄基地の隣の斜面。当初、備蓄基地があるとは知らず、驚くが、施設の上もののタンクや機械がことごとく被害を受けていて、瓦礫の山。この基地の構造を知らないが、土木教室の見学会で2回、別の備蓄基地を見ていたため、全体的な構造、施設の持つ意味を知っていたので、言葉も出ない。一度見学で知っているから、そういう観点で見ることができたのは、いろいろなことを選り好みせずに経験することは大事と強く感じる。同様に遡上高さをまた鈴木先生ががけに上って計測。



久慈。今後訪れる予定の、三陸鉄道北リアス線の被害の情報収集。アポなしで駅に行くと、駅長さんにお会いでき、短時間で話を聞く。橋梁が数箇所流され、1つ、橋梁と駅舎全てが流された箇所があるという。地図に目も程度とし、時間が無いので、詳細は改めて横浜に戻ってからとさせていただく。

以後、時間が無いので、ペースを上げる。


野田市街は車窓からであったが、辺り一面、戦場のような瓦礫が続く。言葉も無い。

普代村。河川内は木がなぎ倒されているが、被害は少なそう。堤防が守った、といわれているその通り。堤防の外は、瓦礫。堤防は強固だが、堤防の付帯設備(階段、手すり)は根こそぎ内。堤防のすぐ内側の付帯道路は、PCの単純桁の4径間。桁について、1つは無傷、2つめは主鉄筋が降伏程度の1点曲げ載荷されたような状態。3,4つめは、ぽきんと中央で折れている。上流方向に流されてはいない。上から巨大な力で叩かれたように見える。堤防を越流した水圧による衝撃なのか。



次は、R45が内陸部を行くので、沿岸部は通らない。机浜、田野畑。などは行きたいが、断念。

安家川。津波の遡上高さは、国道まで達していた。20mくらい。川の上流100mの橋が流出がとおくから見える。

田老。胸にこみ上げてくるだけで、言葉は出ない。2重の堤防の内側も、殆どやられている。3年前に研究室合宿で泊まった旅館のあった方面もない。ただ、斜面を上がると、被害は少ないように見えた。自衛隊が瓦礫の撤去作業をしている。堤防の外側にも行くが、研究室全員で練り歩いた漁港施設は跡形もない。2重の堤防の外側の一部は、倒されているのか、形がない。遠くからだが、昭和、明治の津波の痕跡のプレートが見える、今回の高さは、同じ程度か、わからない。



宮古。事前情報で30mの遡上高さを記録した箇所があるということで、それを探すが、結局わからない。漁港付近をまわるが、民家はつぶれているものの、北側ということで、北から来た波の直撃を避けているためか、少し離れると残っている。この一体、電柱だけ復旧されていて、折れた電柱の横に新しい電柱が立てられて、電線が張られていた。

この時点で18時。調査を打ち切り、宿泊地、遠野へ。ここしか宿が取れなかった。

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