2011年4月11日月曜日

育てる

朝、学生実験のティーチングアシスタントとの第3回打ち合わせ。

今年は、レジュメの内容は基本的には変えないが、実施の主体を学生に完全に(または大きく)シフトさせること、が「学生実験」の講義に関しての大きな変更である。大学院生の教育と意味も込めているが、単にそれだけでは、教員が楽をして講義のレベルが下がるのではないかという懸念もあろう。しかし、単に学生に投げるだけではなく、そういう体制を適切にマネジメントすることで、昨年よりトータルとしてアップできると思うし、そうすべき段階に来ている。言い換えると、全てが私が前に出て行うのではなく、適材適所のマネジメント。

実際、ある面突き放すことで、学生の目の色も変わってくるし、私が水曜日から出張でいなくなることに対して、準備等を前倒しして私のアポを取るようになっている。学生だけでなく、私も方法を変えて、それがうまくいくように仕向けなければならない。先日紹介した「上杉鷹山」ではないが「周囲を変える前に自分が変わる」につながる。

ミーティングの場で学生に質問がないか投げかけることも大切。今まで、一方的にしゃべったり、方法を告げたりして実行していることが多々あった。問いかけても、すぐに反応を見て、ないね、と判断していることも。でも、そこで一瞬待つというか、そういう間合いを取ると、やっぱり出てくる。そして、そのような素朴な疑問こそ、私と学生との距離感を確かめる術であり、結果として良い改善につながるように感じた。

学生は今年からそういう状況になって戸惑ってはいるように見えるものの、彼ら彼女らなりに考えて提案してくれる行為は、きちんと受け止めてできるだけ生かす形をとりたい。私の、このプロジェクトの、本当の目的を見失ってはいけない。ここで詳細を直してしまうと、短期的には見かけは良いものができるかもしれないが、中期的にはよくない。オリジナリティを奪うことにもなり、成長の芽を摘むことにもなりかねない。全体において些細なことであれば、任せるという判断も必要。私もある面そうやって育てていただいたと思う。

参加している上級生も、彼らなりの立ち位置を繊細に考えてくれているのがわかり、適切なアドバイス、あえて議論を仕向けるような質問もしてくれていたと思う。

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