現在住んでいるマンションはとても気に入っているのであるが、細かい所で不具合がないわけではない。
ある部屋のクローゼットの扉と、部屋の扉の位置がぶつかるのだが、それは良いとして、ぶつかったのちに、クローゼットの扉に過度に力がかかり、クローゼットのネジがゆるんでくることである。きちんと締めても1か月持たないことが分かった。
画面右のクローゼットの2枚の扉が、このように三角形になって突っ張るので、左側のドアが当たると、クローゼットの根元に負荷がかかる。
根本を直さないと、また同じことが起きるし、だんだん劣化が進むと、ネジのゆるみまで1か月持たなかったり、部品が破損してしまうと厄介だ。
困った時には良く観察すること。それに尽きる。家の部品は、パターンがある。どうやって設置されているのか、どういう部品を使っているのか。施工誤差、設置誤差はどうやって吸収する設計思想になっているのか。
チーン。わかりました。
クローゼットの扉は、基本的には同じもので構成されている。1枚で使う場合には、右開きでも左開きでも使えるように、ピンの位置が左右自由に動かせるようになっている。 2枚ペアの場合も、全く同じものが2枚使われ、蝶番で連結されている。よって、基本的には工具のみで、パーツを入れ替えるだけで、2枚と1枚の組み合わせを入れ替えることができることが分かった。
変更後は上図の通り。画面下部にあるクローゼットの一番左の扉を開いているときに、画面左のドアを開いたら、クローゼット左扉にぶつかるが、1枚扉なので、扉が閉じるだけで抵抗しない。よって、傷もつかないし、扉を固定するネジがずれることもない。
一件落着。
私が家のつくりに興味を持ったのは、機械設計などと思想が同じであることに尽きる。必ず誤差は発生するもので、それが材料自体の加工誤差であったり、施工誤差であったりするが、誤差が最小になって蓄積することがないように、また、切削加工部の汚い面が人間に見えないようにすると同時に短時間で施工できるように両立された、隠しの注意が払われている。私の実験テクニック、実験治具
、装置の設計、開発のヒントは、住宅から来ている。
そういう実践的な設計の考え方のヒント集のような本を執筆してみたい。
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