2017年9月22日金曜日

心の底から

昨日は、四国地方整備局職員(土木技術者)向けのコンクリートの品質確保の講習会・現場実習であった。13時から1時間座学、その後、橋梁現場30分、トンネル現場30分での表層目視評価の実習であった。途中、マイクロバスでの長い移動もあり、最後に国交省本庁に戻ったのは18時を少し廻ったところであった。

座学では、前半は、全国とくに山口県の品質確保システムの概要を話した。後半は、四国の置かれている状況、特に材料面での課題について、話をした。単に、山口や東北の真似ではなく、四国のニーズの目線も付与することで、理解が深まったのかなぁと思う。私自身が腑に落ちているし、聴講者もそのように感じていただければ幸いである。

受け売りを、理解しないまま話をしても絶対に他人には通じないし、薄っぺらい話になる。そういう意味では、施工性能、生コン、混和材、現場調査、多数のヒアリング、などをこの5年の間、香川の地で行ってきた経験が全て生きている。心の底から、大事だ、と思う熱意がないと、絶対に他人には通じない。その点は、自信を持っている。

私自身が弱いなと思っていたのは、新猪ノ鼻トンネルの覆工コンクリートの最近の状況の技術的話題の情報収集が手薄になっていたことである。この場でも30分、表層目視評価の実技を交えながら話をすることになっていた。直感・予感は概して正しいので、前日に時間ができたのもあって、現場にお願いして急遽現地を訪れ、表層目視評価の結果の概要についてディスカッションをして、現場も見た。現在達成している高い品質を目の当たりにして、私が勉強不足であったことを実感した。来て良かった。

現場に来れば、今度はさらに、現場職員の方が思っている改善メカニズムについて私が技術的な指摘をしたり(相関と因果関係の話)、さらに上を目指すために敢えて細かい不具合の指摘と改善方法について議論をした。細かい話は、現場がスタートする前や、施工が始まってなかなかペースに乗れない段階であれば、逆効果だと思う。しかし、ある高いレベルに到達して、次に何かないかなとなった段階であれば、さらにステップアップしていく良い刺激になるのではないか。

佐藤和徳 元南三陸国道事務所長(現、日本大学)がおっしゃっていた「良いものを作ろう」に合致する。すると、新猪ノ鼻トンネルの所長さんから、すかさず「だったら○○という方法をすれば良いのではないか」というアイデアが自発的に出てきた。なるほど、その方法は東北の例でも聞いたことがない。今後に期待したい。

こうやって、自然と、良いものを作りたい、というポジティブスパイラルになっている。魔法の言葉「コンクリートの品質確保」である。

昨日の講習会では、品質確保をやる効果として「正のスパイラルができますよ」という話をする中で、前述の香川県内のトンネルの概要もお話しした。現場を知らない『と思われている』研究者が、遠い東北の話を取り上げて「正のスパイラルが起きているらしいですよ」なんて話しても全く説得力がない。こうやって、自ら体験したことを話すことの重さを感じた。


「自分の言葉」に関連して、話は飛ぶが、数年前に訪れた、豊島産廃事件の原告らのお話しを思い出した。説明と質問において、確かこのようなお話を聞いた。原告団の方々が、香川県民へ窮状を訴えてもなかなか聞いてもらえなかった、そこで、改めて自分たちのことをきちんと調べて、猛勉強し直して、自分たちの言葉として表現をするようになってから、自分たちも、そして県民の意識も変わっていったと。(旨く説明できておらず済みません。こちらに移行する1つ前のブログが閉鎖中で、以前書いた記事が探せず。)

また、先週、9/15に、香川高専コンクリート研合宿で、野島断層記念館を訪問したが、そこでガイドをして戴いた職員の方は、最後におっしゃったのがご自身が23歳とのこと。自身は、阪神大震災の記憶はないが、しっかり勉強して、話をしているとのこと。非常に迫力があった。一部、まだ勉強中のことで、我々のとっさのマニアックな質問に対しては、説明できない部分があると正直に答えて戴いた。記念館は、今度も何度も何度も訪れると思うので、是非、あの方からお話を伺いたい。

自分の言葉として話すこと。心の底から伝えたいと思うこと。どの分野でも同じだなぁと、感じている。

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