高校まではいわゆる勉強ができていれば大学には入れても、その後、人間との付き合い方ができていないと大学や社会に出て伸びない、活躍できない、ということと似ている気がする。
そういうこともあり、うちの研究室では最近はグループ単位でミーティングを積極的に行ったり、勉強会をしたりしていることに繋がっている。私の主催した表層品質ミーティングは、その目標であったが、本当に活発に機能したのかと問われると、半分はyesとはいえるが、半分は細かいところに手が回らず結果として惰性に任せて運営していたこともある。自律的に(自立ではない)動き出すためには、やはり、ある程度方向性を位置づけることが必要だと再認識。
話は戻り、巻き込むことについては、特に実験面についてはひしひしと感じている。
基本的姿勢として、学生から私への助け要請の半分は、作業を教えて欲しい、である。たまに、手伝って欲しいという依頼もあるが。私への作業依頼に関しては、研究室の位置づけを説明して、単に人手のみということは本来望ましくないことは説明するが、そういう時は学生もどうしようもなく相談に来ていることが多いので、説明の後、最低限手伝う。
大事なことは、作業を教えることについてである。1回の説明で、たくさんの人が学ぶように仕向けたい。年度の前半、中盤であれば、それは可能である。誰かのニーズをきっかけに、講習会扱いにすれば、人は集まる。ただし、本人以外は、モチベーションが薄いので、殆ど無駄になる。とはいえ、ゼロではないので次に繋がるので、よしとしている。
もうひとつは、今は関係なくても、基幹となる部分や考え方を学ぶ経験となると思うものについては、来年度もいる学生、特に博士のように全般的な指導の立場になる学生に対しては、叩き込んでおきたいと考えている。そうやって知識を分散しておくことで、私個人としてはいちいち対応しなくても良くなるし、鍛えられた側としてはそれが血肉になると思う。
私自身、必ずしも同じ形で教わったというものではないが、結果としてそういう経験をしてきたことが今の糧になっている。少なくとも、その年代に経験する場を提供する、という意味で後輩を育てたいと思う。
自戒としては、細かい実験テクニックは単に手段なので、それを押し付けることはしないこと。あくまでも考え方、ものの見方を、私のやり方を通じて伝えること。それと同時に、ツールとしてこういうものがあるという紹介をすること。ある事実を知っているだけで、研究が大きく進むことは多い。その辺はバランス感覚が重要。
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