私だけが困っていて私だけに役立つことは余り紹介しても意味がないし、そのような紹介に留まっていたくない。
2年前の話だが、書架について紹介する。
まずは専門書というか仕事で使う書架について。
オフィスにある普通の棚は、今はA4サイズ、A4ファイルサイズが主流になっていると思うが、そんなの当たり前だと思うだろう。しかし、A4の書籍を置くと、奥行きがだいぶ余る。ブログを書いている手元に無いが、10cm位余る。A4と謳われているボックスファイルを入れると、奥行きがちょうど良くなる。
本棚は、大きければ良いというものではなく、大きすぎると本が取り出しにくくなり、ストレスが溜まる。A4(奥行き30cm)という書架が現状では主流だと思う。もうひとつの規格にA4S(奥行き25cm)というサイズがある。これは、A4サイズの本にほぼぴったりで、さらに、A4ボックスファイルを入れると若干はみ出る大きさである。
はみ出ると、地震時の本の落下バーが取付けられなくなるので、メーカーとしては推奨しないだろうが、実際そのバーをつけているのは少数だと思うので、ここではそれを認めておく。
何が良いかというと、元々あった10cmのスペースが、5cm程度節約できることと、とにかく本が見やすくなるということ、空いた棚板にゴミが溜まりにくいことと、つい天板の前側に頂いたお置物などを置いてしまうことを防ぐ。たかが5cmとはいえ、すっきり感は違う。
私は高専に赴任して、研究室の引越しも1回したが、その書架を買い換えたり買い足したりして、全てA4サイズにして、A4Sサイズを撤廃した。実際には、高専に元々あったのは、古くからある幅90cmもしくは180cmの独立式の棚で、多分B4サイズのものだと思う。よって奥行きは40cm程度。この書架から奥行き25cmに縮小したので、研究室のスペースが増えたような感じで、結果として棚の圧迫感もなくなり、満足感がある。
次に、もうひとつ、別のサイズの書架について紹介する。
私は学生に読ませることを意図して、林文庫を作っている。これらは、文庫、新書、単行本の大きさが殆どで、数えたら99%がそのサイズに収まっていた。これをA4やA4Sサイズの書架に入れると、ガラガラになる。整理ができなくなってくると、文庫本の前後2段置きなどが発生してしまう。
とにかく一覧性が大事なので、それは避けたい。
家具屋さん、色々見てみたが、小さい本(というか、流通している本の主流)を置くための書架がないことに気づいた。文庫本専用、DVDのケース専用、コミックサイズ専用のものはあったが、単行本の主流である「菊判」(21×15cm)の本が過不足なく入る書架を見つけることはできなかった。
棚板は買い足せば良い。でも、奥行きが邪魔なのである。
これが、それ以前の姿。
一般に、書架などの耐久材を購入する際に、大きな本が増えるかもしれないという最大公約数を考えると、大型本は切り捨てる、という選択肢にはなりにくい。よって、私のような限定をすることは少ないかもしれない。
レストランのスパゲッティは何故柔らかいのか、という考察を読んだことがあるが、アルデンテ付近で作るとお客さんから生煮えというクレームが入る恐れがあり、いっそのこと柔らかめに作っておけば少なくとも苦情が出ない、と。それに似たような構図ではないか。
そもそも、研究室において、学生からよく見えるスペースに、これらの本を配置したかったが、通路なので既成の奥行きの棚では邪魔になる、というジレンマを解決する目的もあった。無いものは、自分で作るしかない。大工さんに作り付けの棚を作ってもらうことは不可能ではないが、今回の場合現実的ではない。
以下、2015年7月17日の作品。台風のため学校が休校となり、1日時間ができたため、前から研究室の整備として作りたかった棚を作ることとした。
中央の仕切りをずらしている理由は
1)本のジャンルによって場所を分けたいが、数が一定でないため、色々な幅を作った。
2)ネジ止めするのに、上下スペースが必要なため、同じ位置に重ねることができない。
3)意匠としてアクセントを持たせるため敢えてずらす。
背板をつけて
完成。ホワイトボードの下のデッドスペースであるが、会議机との間のスペースは小さく、邪魔なものは置きたくなかったのを両方解決。
実際日本を入れるとこのように。斜めから見ても、本の背表紙が書架の棚板に隠れない。写真は2年前で、中身は現在とだいぶ変わっている。
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