2017年5月24日水曜日

情報の非対称性

先週の九州の出張では、特に熊本、長崎、九州地整のフライアッシュの取組み等、直接ヒアリングすることができて有意義であった。報告書など公開されているが、それに書かれていない事柄は沢山あり、百聞は一見にしかずであった。

戻ってからは、昨日今日は重要な会議があり、それぞれ重要な節目の会議だったように思う。

昨日午前は国交省四国地整でトンネルの品質確保の会議。昨年12月から始まり、今回で3回目となる。
午後は県内某市との橋梁点検・維持管理のマネジメントの打合せ。
本日は、国交省四国地整とフライアッシュについての意見交換。


市役所の時に話題提供のスライドでも書いたが、研究者と現場、発注者と受注者、などどういった所でコミニュケーション不足が起きるのか、結局は情報の非対称性にあるのだろうと私は思っている。技術的な専門知識を知っている、知らない、ということもあるし、単に情報公開していないだけもあるし、とにかく、情報量の違いは必ず存在する。

お互いが理解できないことと、お互いに情報量の差があることは、同じことがらを別の角度から言っているだけで相関はあるけどどちらが原因であるとは決めつけることはできないかもしれない。

しかし、情報量の差があることを常に明確に意識していないと、解にたどり着けないように思う。話し合いをすることは大事だけど、それは何ですか、という質問のやりとりが続けば、なかなか本質にはたどり着けない。

高レベルの質問、低レベルの質問があるが、低レベルの質問とはたいていの場合、一問一答であり、これは何ですかと知識を問うものである。すなわち、情報の非対称性を解消するための質問である。本来は、それを早期に解消して、本質的な問題解決のための質問をしたい。

某市に働きかけたのは、橋梁点検で何が問題になっているか、修繕の発注で何が問題になっているか、など、そもそも何が課題なのかがわからないので、知りたいということ。お互いが全て出し合って、情報の共有ができれば、最終的には課題も自ずから分ってくるのではないか。

本日のフライアッシュの打合せは、今回九州で得たことだけでなく、昨年秋以降土木学会の委員会で議論してきた中で、相手に上手く伝えられなかったこと(私が当たり前だと思っていて、相手の疑問に気づかなかったこと)から学んで、相当に問題点を整理できたのではないかと思っている。

地方の整備局が中央(霞ヶ関)に対して思っていること、中央が地方整備局に対して思っていること、それぞれボタンの掛け違いがあることも、私の立場で両方に飛び込んで意見交換をして今回得ることができたと思う。

国自治体と会計検査院の関係もそう。直接会計検査院の方と話をしたことはないが、委員会でもそういう話題が出たりして、なんとなく分っているつもりである。会計検査院がストップする事例は実は余り無く、会計検査院に責められるのではないかという疑心から不作為になる事例は多数見てきた(今回の話ではない)。そういうことも、相手を知ってさえいれば、解決する。

日々そんなことばっかりやっているが、それが私のスタイルなのだろうか。

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