今年も技術士の筆記試験が終わった。試験時間は、6時間。パシフィコ横浜の展示場ホールに1000人ほどの受験者がずらっと並んで受験する様は異様であったが、さらに驚きは、私の大学同期S君が真後ろの席だったこと。
さて、客観的にみて、今年はできたと思う。例年かどうかは忘れたが少なくとも昨年はコンクリートの専門問題はA判定、一般問題でBだった。その観点から、少なくとも一般問題は明らかに向上して、合格点に達したろうと思う。専門も、昨年同様のできた感はある。昨年もできた、と日記に書いたと思うが、自画自賛だったようで、「客観度」が今年は洗練された。
まだ受かっていないので、総括となるとおこがましいのだが、思っていることを。
この試験は、数年前受けた当初思ったし、知人も同じ感想を持っていたが、「試験なので必ずしも技術力を評価するものではなく受験テクニックが存在する」。そして、「だから意味がない」と当初は思った。でも技術士は、特に土木系の実務では求められていることから、そんなことは構ってなくて合格することが大事なのはわかる。それに気づいた人から、どんどん賢く卒業していくのだろう。
大学教員として、レポートやテストの採点をしていると、たまにいる、題意に沿っていない回答は評価に苦しむ。裏を返せば、技術士の採点者であっても同じだ。技術を持っていても、それを相手にPRできなければ、技術を持っていないに等しい、という厳しい現実。これは、大学教員として、研究資金の公募の申請書を書く際にも繋がることに改めて気づかされた。求められていることを適切にアピールすること、結局は人生の縮図である。それは、日常会話でも同じこと。
もうひとつ。今年は仕事が忙しくて勉強ができなかった、との声も聞こえるし、私もそういう言い訳をしていた。でも、多かれ少なかれ、皆同じ。昨日受けたほぼ全員が同じ言い訳をしていることだろう。これも、技術士を受けたいのであれば、それを少なくとも自分でマネジメントして、ちょっとでも時間を割く、家族のケアにしても、他で頑張っておけば大事な時期はわかってもらえるはず。
完璧でなくても、それらをケアしてきた人が、受かる試験ではないかと、改めて感じた。もちろん、天才肌の人は、何もなくて一発で行けるだろうが、それも縮図。
私の場合、今年大きかったのは、1ヶ月前の土木学会の10000円の講習に参加して、かつ、手を挙げて直接採点してもらったこと。前述の一般問題をチェックしてもらったおかげで、自分の実力を知った。その後、自分なりに過去最大の忙しさが続いて、技術士に関してまた嫌になったものの、1ヶ月前の衝撃が頭に少しなりとも残っていたことで、普段の学会誌や専門誌を読む中で、キーワードを広げる努力はしたと思う。
一皮向けたような気がするし、これで、なんとなく前学期(大学教員なので、そういう気持ちが強い。別に今日から夏休みではない。単に講義が無いだけで仕事はある。)が終わった気もするので、気持ちを切り替えたい。
P.S.前回の日記で書いた、プリウスαの、営業マンからの電話。「その後、いかがですか。」
2011年8月8日月曜日
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