2019年1月27日日曜日

【作品No.16】ツラが合う本棚

木工家具製作の報告は久し振りになる。

小6の娘が年末年始に部屋の模様替えをしたときに、妻から本棚を作って欲しいとのリクエストがあった。これから増える文庫本を置くスペースがないとのこと。ニーズとしては、文庫本だけでなく、単行本の大きさの本も、少ないがA4サイズの本も置きたいことがわかった。場所は、ベットに背中合わせに置く。

イメージは次のようなものである。私のスケッチに、娘が手を入れて水平線を書き加えたので若干おかしいところもある。


本棚の外形としての奥行きは、家具配置のスペースの関係上、それほど大きくはできない制約の中、大きな本もある程度置きたいし、引き出しのようなものも付けたい。かといって、大きな本に奥行きを合わせると、文庫本が収納しづらくなる。

ベッドの下部が空洞であり、たまたま娘のベッドの頭側に空いた空間があったため、その空間を有効利用したオリジナルの本棚を作ることとした。

全体の高さの制約、ベットからはみ出る大きさの制約、ベッドの中に入る大きさの制約、掃除をするための下部のスペース(今は掃除機だが、ルンバが入居するかもしれない)を考えると、ミリ単位の調整が必要なことがわかった。

土曜日の午後にリクエストがあり、日曜日の夜までに作ることも制約条件となった。そこで、本の大きさ3種類+上に指が入る高さ、掃除機のノズルの高さ+動作空間を実測して、ギリギリの大きさの設計が完成したのが、夜。実質4時間は費やしたと思う。

3次元の立体を、誤解なく記述するには、3方向の図が必要ではあるが、時間がないため最低限必要な2方向の図のみを作成して、終わりとした。

翌朝、そこから、必要な板の大きさを導き出した。プラス1時間程度の作業。板は、赤松集成材の18mmと12mm厚を使うのだが、結果として設計ミスで、1箇所だけ、長さを間違えて板厚の差分の6mm長い箇所が出てしまったのを施工時に気づいたが、それ以外は矛盾ない設計ができた。


手間と時間短縮を考えると、木はホームセンターで切ってもらうのが良い。その際、購入する板の規格は、長さ方向にはおよそ900mm単位で、長さが900mm、1800mm、2700mm等と売られているので、安く上げるには、その配置も重要となる。1枚だけ、家にあった端材を使って、下記の通りギリギリ賄うことができた。ちなみに、赤松集成材で、木の値段だけで7000円+3000円ぐらいで材料費は1万円かかる。自作したら安くつく、だいたい3000円ぐらいかな、と思った人は誤りです。

なお、いつもギリギリで板がとれるように工夫して作っているので、生み出してきた作品の数の割には、家に余っている木材は少ない。その途中に、小物作成に消費することもある。

 上記のように、切り出しの指示をする。買い出しと切断指示、切断作業待ちで2時間は必要。

これが、端材も含んだ、購入して切断してもらった木材。

 上の板は、1枚だけ、手持ちの板を手切りしたもの。

図面には、寸法を入れているが、加工のためには、別途必要な寸法があるので足し算して再計算をしたところ。

1人で作業をするので、一部、テープで固定して作業する。

私は、ビスは、先割れのコーススレッドを使う。先割れは、内部で木を削りながら打込むため、丁寧に施工すれば、木が割れることはない。ビスの長さは、今回、30mmと45mmを使っている。こちらは、いつも家に在庫を置いている。

今回、 施工を2時間程度で終わらせるには、まずは、そのままビス留めすることとした。以前、木工製作はすべて、ビスを隠すために、ダボを入れて、表面を磨いていたが今回は急ぎだったのでビスそのままとした。必要となれば、再度ビスを外して、8mm程度の穴を開けてダボ(木)を入れてビスを隠す加工も可能となる。また角は丸く仕上げることも考えてはいる。最後は、オイル仕上げとしたい。今回はそれらを行わないと割り切り、ひたすら組み立てていく。

参考:ビスを隠す処理(作品No.11 ミシン机)

まず、断面をT形に組む。

 T形を2つ組み合わせて、漢字でいう「圭」の形にする。その際、縦軸の線は、実は重なっていない。ビスを使う場合、縦軸の線は重ねて施工することはできない。今回、本の前面(面:ツラという)を合わせたのは、この施工の事を考えてもいる。

 このように、本の大きさが違うものでも、表面の位置が合う。上が単行本(菊判)と下が文庫本。

今度は、 文庫本と同じ高さの所に、A4やそれより少し大きいサイズの本を入れるスペース。



 さらに、写真左の奥行が深い箇所は、引き出しを入れるスペース。

 ほぼ完成。
 向かって右から見たところ。奥が階段状になっている。

向かって左から見たところ。

 それをベッドに持ってきて、押し込む。

 完成。


 これだけ大きさが違う本が・・・

 このようにツラが合っている。

 引き出しも、奥行きがこれだけある。

 将来のルンバの作業スペースも確保。

今はまだ本が少ないが、中学生に上がったらすぐ一杯になるかな、と期待。

施工は、再度の微調整を入れて3時間程度。

時間ができたら、ビスの隠し加工、研磨、オイル仕上げをしたいが、まだまだ先の話。赤松自体も、経年するとアメ色になってくるのでそれも期待。

2019年1月12日~13日
所要時間:設計5時間、買い出し2時間、施工3時間程度
材料:赤松集成材(板厚18mm(見えるところはすべて18mm)、12mm)
材料費: 1万円


(参考)過去の作品例
(この他にも、ブログのラベルで「作品」を選ぶと出てきます)
作品No.14 ミシン机の上の棚
作品No.11 ミシン机


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