2016年5月に発刊された、土木学会の書籍「道路橋支承部の点検・診断・維持管理技術」を購入して、ざっと目を通してみた。
様々な構造の詳細、分解図(構成図)が示されていること、そして東日本大震災での被害も丁寧に分析されている、という観点で、非常に参考になった。
支承の構造について、学校で習うことは少ないとは思うが、設計業務に携わらない限り、そのままではないだろうか。
東日本大震災での津波で被害を受けた橋梁の調査に参加した際に、壊れて吹き飛んだ後の状況から、元の支承の構造を推定することは、知識が無い身にとっては困難を極めた。その時に色々な文献を読んだり、コンサルタントの方にお聞きする中で、自分なりに構造の実務をイメージとしてつかむことができた。
そんな中、昨年度、地元においてある構造的な被害を受けた橋梁の安全性をチェックすることとなり、その時の知識が役に立った。
今回は、ざっと見た限りであるが、資料集としては支承に関して秀逸なものであろうと思っている。
地震ではなく、環境や材料的な劣化に対しても、支承の腐食などを診断するには、構造を十分に把握する必要があるだろう。さらにいえば、施工のこともわかっておいた方が、劣化の診断には良い。
本書籍は、鋼構造シリーズということで、普段目にするコンクリート委員会の書籍とは異なるが、是非お薦めしたい。
2016年9月28日水曜日
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