その舟の体育館が、耐震工事が業者の落札不調に終わり、結果、今年2014年9月をもって閉館になると先日報道がありました。
耐震改修の見送り決定/県立体育館、9月で閉館(2014年7月2日 四国新聞ウェブサイト)
香川県立体育館の耐震改修工事 入札不調、非情に厳しい 県教育長(2014年3月8日 サンケイMSN)
相次ぐ不調で事業中止/香川県の県立体育館耐震改修(2014年7月3日 建設通信新聞)
(最後のこちらが一番、建設系新聞ということで、金額や経緯まで詳しく載っています)
これは丹下健三が設計した建築物です。1964(昭和39)年の建設です。県内では、彼の代表作である香川県庁舎と並んで有名です。本当に取り壊しになるのか、誰かポケットマネーを出して直してくれるのかわかりませんが、取り壊しになるとしたら、寂しいです。
自宅からも比較的近いので、本日、朝、写真を撮りためるために訪れてみました。 そのときの時刻、天候によっても表情は変わるので、何度も来てみたいと思っています。
体育館シリーズとしては、彼の代表作の東京の「代々木競技場 第一体育館(通称:代々木第一体育館)」と兄弟分でしょう。
建設時、また私が高松に住んでいた中高生の時は、コンクリート表面の塗装はされていなかったはずです。たぶん、コンクリートの劣化補修のために塗られたのでしょうが、結局塗った塗膜自体が劣化して、ひび割れの強調、色ムラになっています。
道路からみたところ。何かにょきっと飛び出ている建物です。
張り出し部分を下面から見ると、ハニカム構造でスラブ(床)を支えていることがわかります。
ニョキッと飛び出る角が、大魔神のような感じでちょっとユーモラスに思えます。
参考:ウィキペディアへの直リンク「大魔神」
ひび割れとその補修の跡が痛々しいです。ひび割れ部に塗ることで、逆に線が太く見えています。もし再度リニューアルするとしたら、過去の補修の塗膜を全面剥がして、透明の含浸材を塗って、ひび割れ部は別途補修するとよいのでは。
「ダンボー」のよう。
天に高くそびえています。
見たことはないけれど、ノアの方舟のよう。
遠くから見ると、背中にコブが。蟲(オーム)「宮崎駿(風の谷のナウシカ)」があります。夜になったら、コブや横の小窓から真っ赤な光が漏れたら、オームだ。
舟の体育館。私の青春のひとこまでした。今までどうもありがとう。
同じく、丹下健三の「香川県庁舎」も耐震補強が問題となっている。しなやかな構造にオリジナリティがあるので、柱や梁を足すわけにはいかないので、たぶん、免震工事になるのでしょう。
香川県庁舎も最近再訪して写真を撮りました。
木造の和風建築を思わせる、昭和33年に作られた鉄筋コンクリート建築。
今はその西側に、さらに高い西館も建っています。こちらも丹下建築事務所設計。
こちらの私の記事もまだの方はどうぞ。
http://kazuh-hayashi.blogspot.jp/2013/08/blog-post_25.html
http://kazuh-hayashi.blogspot.jp/2013/08/blog-post_24.html
http://kazuh-hayashi.blogspot.jp/2013/08/blog-post_1366.html
YouTubeに掲載されている、香川県が作った香川県庁舎のビデオが秀逸です。
内容も詳細まで良く出来ています。建築の専門的なことも平易な言葉で説明しています。ちょっと技術がわかる人が見ても楽しめると思います。香川県庁を題材に、丹下健三を語った秀逸なビデオだと思いました。
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香川県庁舎ノート
こちらの研究紀要7 の資料も技術的解説が豊富です。
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