年に2回程度、オープンキャンパスとは別に、不定期で高校生の見学を受けることがある。大学の入試課から連絡があり、いつものをお願いします、という感じで連絡があり、どかっと20~30人の見学を受け入れる。研究に関する一通りの説明の後、高強度コンクリートの圧縮試験をするのが恒例になっており、それを期待されている節もある。
多分、彼らは横浜国立大学を見学に来て、いくつかの学部、学科を見学しているのだろうと思う。前後はどこを見ているのかは知らないが、少なくとも土木・コンクリートを希望して話を聞きに来ているわけではない。
今日は私が対応させていただいた。30分というと、全くコンクリートや土木に興味のない(それ以前に、興味を持つ/持たないの対象にすら思っていなかった、のが正解だろう)人にとっては、苦痛に感じるかもしれない。その30分で、如何に興味を持ってもらうか、土木やコンクリートの正しい認識を植え付けるか、プレゼンの場である。
先日起きた、中央道での天井の落下事故(事件)の話から始めた。 屋外に設置(放置)している、耐震補強の実験供試体、日本中から取り寄せている劣化したコンクリート実物、等を見せながら、メンテナンス、既存不適格の補強、補修等について、平易な言葉で説明した。東日本大震災のこと、先日の落下事故のことと絡めながら説明して、たぶん聞き手の知識と繋がったためか、雰囲気は伝わったのではないかと思う。
ちょうど先週訪れた、軍艦島で極度に劣化、崩壊した写真も見せられたのは、メンテをしない極限はこれだ、ということで効果的だったようだ。
私の訓練不足でつい話が長くなるので、自分自身へiPhoneのプレゼンタイマーをかけて、10分、20分と呼び鈴が鳴るのを聞きながら、最後の5分で、恒例の圧縮試験をして、終わった。
耐久性、メンテナンスという、タイムリーな事例を軸に、一貫したテーマで話をしたことは、興味を抱いてくれたのではないかと思う。普段は、あれもこれも研究していますと、情報を詰め込み過ぎて、消化不良に陥ることが多い。今回は、テーマを設定して、それに徹した。口述なので、何度かの繰返しもあったが、そのくらいがちょうどよいと思う。高校生の反応は素直で、見ていると、きちんと、うなづき、笑顔、等でわかってくる。
レベルが低い話とは思うが、私自身がきちんと目的意識を持って、自分自身のプレゼンを見直し改善することが大事と、非常に些細なことであったが、再確認した30分であった。
2012年12月6日木曜日
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