何度も登場するが、表面吸水試験装置の現行バージョンの最終版の開発が佳境を迎えている。
4月のオランダ、7月のベトナムで測定した際に、一部で、原因不明のノイズが載ってしまい、困っていた。どうしても原因がわからない。ところが、先日ある人に相談して、その人のアドバイスも受けながら徐々に原因を絞っていき、一気に解決した。動作原理はわかっていたつもりだが、素人の私の解釈の間違いで気づいていなかった。こうやって、専門の人に聞くことが大事であることを改めて実感。
知見1:シールド線は、アースに繋がずに浮かせておく。 これまで、シールド線を、装置内部のアースに繋いでしまっていたので、シールド部で拾ったノイズを内部に波及させてしまっていた。
知見2:アース線が長いと、アース線自体がアンテナになってノイズを拾うことがある。その場合、アース線自体にも高周波除去を。
同時に、計測プログラムについても、先月から、PCを変えた環境でエラーが出ていて困っていた。これは、Windowsの問題だと思い、そうなると、プログラムの開発メーカーに聞くわけにいかないし、手も足も出ていなかった。ところが、今度はロガーを変えた別の環境でも不具合が生じることがわかり、そのことがヒントとなり、プログラムのメーカーのサポートも受けながら原因が断定できた。後は、その部分のプログラムを変更することで、何とかなりそう。でも、根本から構築し直さなければならないようで、間に合うかどうか。
その日の夜、学生から、緊急連絡。100トンの圧縮試験機からオイルが漏れているという。その場に居合わせた専門業者の方に診てもらい、すんなり原因が判明。オイルの回収のためのポンプに異常があると、オイルが溢れるという、頻出の不具合という。研究室内の装置のほとんどは基本原理はわかっていたつもりだった(多くの故障事例を経験してきたつもりだった)が、まだまだ知らないことに遭遇した。すぐに、業者に保守契約している業者に手配をして、2日後には完了した。この不具合を知ったことは、私の中での良い経験となった。
ただ、この件は、私に反省すべき点がある。今年度になって、動作時に、キュルキュルという擦れた異音がしていた。何度も、これはやばいのではないか思ったものの、実際に実験は動いていることと、実際に操作をしているのは自分でなかったこともあり、業者に連絡するのを失念していた。結局はその部分が徐々に劣化して、結果としてオイル漏れとなった。予防保全ができず、事後対応となってしまった。 失敗学で言う、原理原則はわかっているけれど、自分のことと捉えられない事例だった。
知見1:耐圧試験機には、ラムに油を送り回収するという油の経路以外に、ラムから常時漏れる油を回収する経路がある。ラム自体にはシールは無く、常時油が漏れるという。
知見2:その油の回収には、トロコイドポンプが使われている。→先ほどトコロイドポンプについて調べて、原理を理解した。
知見3:今回は、トロコイドポンプが原因不明(多分ゴミが詰まった等)でギアが噛んでしまっており、そのため、ゴムベルトが滑って異音が出ていた。今回はポンプ部分を分解清掃しただけで、直った。
2012年9月15日土曜日
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