色々と動きがありすぎて、書き切れないのであるが、書かないと他人から見たら何もやっていないように見えるので、書く。こまめに書くことの効果は、頭ではわかっているが実践できていないのが課題。
7月4-6日 日本コンクリート工学会(JCI)年次大会in神戸 への参加。学生コンペ(キングオブコンクリート)に、高専から唯一エントリーして、闘ってきた。こういう大会に参加する高専生は、専攻科生が多いものと思うが、地元ということもあり、色々加味して本科5年生が3名参加した。殆どが大学という20チームの中で、強度部門では7位に入るなど、健闘したと思っている。期間中、高専唯一ということで、沢山応援を戴いた。また、出場チームの大学生も、高専編入している学生からも声かけを戴いた。続くクイズ部門で敗退したが、3名のうちそれぞれ1問ずつ正答ができて、良い経験を得たと思う。
7月12日 日本コンクリート工学会四国支部に、新しい委員会を立ち上げた。「四国における新設コンクリート構造物の品質確保の実践に関する研究委員会」という名称で、私が委員長、幹事長に香川大学の岡﨑慎一郎先生。岡崎先生とは、彼が東大生研の博士学生の時から、表層品質の委員会で活動をしてきて、一緒に沢山の現場調査にも参加している。高松高校の同窓生でもある。タッグを組みながら、四国の品質確保に取り組みたい。
民間の方からも多数入っていただき、良い議論ができたと考えている。これに関して、品質確保のホームページを作っているので、こちらも参照いただきたい。コンクリート新聞の取材も受けたので記事も転載している。
7月25日 四国地整と連携して、念願のフライアッシュの試行工事を行ってきた。この日は、3日目のコンクリート打ち込み日で、やっと都合が合ったので、見学会としてJCI委員も参画して見学を実施した。ちょうど、日本中の熱波で連日35度越えの最中で、過酷なコンクリート打込み環境の下の試行工事となった。色々と学ぶところがあって、やって良かった。この現場では、脱型時期や養生法法等を敢えて変化させた研究も仕込んでおり、今後非破壊検査での検証なども控えている。
7月27日 こちらは、香川県生コンクリート工業組合と建設業組合支部青年部との合同研修会であった。聴講として参加させていただいた。テーマは、「圧送」。圧送の分野では、日大の中田先生が有名で、今まで名前しか知らなかったのだが、講演とパネルディスカッション、懇親会を通じて、先生の考え方、やり方に共感した。まさに私が四国で行おうとしていることとベクトルは一緒である。また、その中で、また何名かの県内のキーパーソンとお会いして、さらにヒアリングをすることになった。
7月31日 香川県建設技術センター主催の講習会に、講師として参加。コンクリートの基礎ということで、発注者の方20名程度に、品質確保の話をした。午後は参加できなかったので、残念だが、こういう貴重な機会を通じて、PRしていきたい。
8月9-10日 ブログの別記事で書いているが、横浜国大コンクリート研のご一行を香川、徳島、高知にお迎えした。この件は、さらにブログ記事は増やしていく。その中で、私自身、今回は「満濃池」についてゼロから勉強して、臨んだ。満濃池土地改良区に事前ヒアリングして、満濃池だけでなく、以前から香川県コンクリート診断士会を通じて、農業土木の維持管理のことも聞いていたので、さらに理解が深まった。徳島の世界に誇る「青雲橋」、高知の「上吉野川橋」も、今回初めて訪れて、素晴らしかった。
8月11日 一級河川 土器川の調査。豪雨による河川災害が増えているが、土器川は以前から課題を抱えており、近年私も河川の研究者と一緒に検討を進めている。実際に数時間行動を共にして現地を見て、現状把握ができた。構造物管理者と連携したあるプロジェクトも動き始めている。紹介できる段階になれば、アップしたい。
夏休み期間は、授業がないだけで、研究や社会活動はどんどん進めている。むしろ出張を多数入れるので、普段より忙しいぐらいかもしれない。
以下予定しているもの
8月~9月 生コンへのヒアリング2件(1件は初めての小豆島にある生コン)
8月 建設業界との品質確保についての意見交換会
8月20-22日 高専フォーラムin名古屋 の主催
8月25日 香川県コンクリート診断士会 第12回定例会
8月29-31日 土木学会in札幌に合わせて、北海道の品質確保意見交換会、フライアッシュ・生コンのヒアリングの実施
9月10日 品質確保委員会 第2回委員会
9月中 四国地整の産官学会議の実施
9月中 試行工事の表層品質調査
などなど。
今年は、昨年度までに種を蒔いたことの、実践の年と思っていたが、まさにその様になりつつある。
2018年8月16日木曜日
2018年8月13日月曜日
ハートで感じる見学会(1) 旧香川県立体育館、香川県庁東館
題名はわかる人にはわかると思うが、大西泰人(おおにし ひろと)氏の「ハートで感じる英文法」にちなんでいる。ネイティブにとっては、文法は暗記ではなく、必然性から自然と英語が出てくる。大西氏はその感覚を養うことが大事だと提唱している。私の物事の理解も全てそれに基づいており、共感でき、今の高専での授業でもそうありたいと思っており、暗記はするな、こうやって考えるんだ、という授業設計をしているつもりである。以下に示す話も、単発の技術ではなく、なぜそうなったのかという流れを中心に理解したいし、理解してもらいたいという考えに基づいている。振り返りや、今後の再利用のことを考えて取りとりまとめたい。長くなるので、場所毎に分割することにする。
母校かつ以前の職場であった横浜国大のコンクリート研究室が夏合宿として香川を訪れることになった。主として香川県部分の段取りのお手伝いをさせていただいた。幹事の学生に合宿のテーマを聞いたところ、「原点回帰」との返事だったので、私なりに考えていくつか提案させてもらった。
夏合宿の大きなテーマは、古いもの新しいもの、コンクリートか否か、土木か否か、こだわらずに、良質のものをしっかり見て考える、というものであると思っている。望むべくは、単に受け身で参加して「面白かった」という「感動の消費」で終わることのないものであれば良い。そうなるかどうかはどちらかというと参加する側の姿勢にかかっているが、できるだけ前後に繋がるようなテーマ設定だったり、説明だったり、を考えてみた。
今年は、瀬戸大橋30年、明石海峡大橋20年という記念すべき年でもある。結果として、明石海峡大橋の主塔を見学してから、香川に入る行程となった。この部分は携わっていないのでノーコメントとする。ただ、原点というなら、瀬戸大橋が良かったし、大鳴門橋も建設年代という意味では突出している。今回2日目の最後に見た瀬戸大橋のモデル橋とのペアであれば、瀬戸大橋を是非、というのは今でも変わらない。
香川県の見学先の1つめとしては、デザイン知事と呼ばれた金子正則知事が推し進めた開かれた政治、開かれた公共建築、を体現した、旧香川県立体育館、香川県庁舎東館とした。建築分野の方からは、これもいいけど他にももっと良いものがある、とご指摘を受けるかもしれないが、まだまだ建築分野以外には世の中に知られていないこれらを見てもらいたかった。現代の公共建築の原点であると思う。
高松で2013年に丹下健三展が開かれたのをきっかけに私自身も相当に勉強していたつもりであったが、今回は建築家で「香川県立体育館保存の会」の会長をされているカワニシノリユキ氏に説明をお願いすることになった。私自身改めて別の人から話を聞くことで得ることもあったし、これらの場所では、私が少し離れた立場でコメントをすることもできたので、依頼して良かったと思っている。カワニシ氏には、翌日の見学にも参加してもらえることになり、色々と彼の考え方に触れることができた。
県立体育館は、2014年に耐震改修の入札が2度に渡り不調になり、それ以後使用がストップしている。丹下健三が設計した、世界でも有数の建築遺産であり、「ワールド・モニュメント財団」から「危機遺産」として認定されている。舟形の体育館であり、地元からは県立体育館よりも舟の体育館と呼ばれて親しまれていた。私が中学生の時には、バスケットボールの大会でよく舟の体育館を訪れていた。
清水建設が施工しているが、日本を代表するトップエンジニアのひとり渡辺泰充氏(元 清水建設)のお父様が同じ清水建設の渡辺泰臣工務課長としてこの工事に携わっている。渡辺泰充氏は、私の母校、高松高校の大先輩でもある。さらに、渡辺泰充氏のお嬢様が、横浜国立大学 土木工学科の先輩にあたる。親子3代にわたり、高松、横浜、コンクリートのキーワードで繋がっている。
構造に関しては、今年4月にカワニシ氏らが主催した写真展に詳しかったのであるが、まだまだ私の中では勉強不足であった。この部分は近いうちに補って、誰にも負けないような説明ができるようにしておきたい。1つ楽しい宿題ができた。
香川県庁東館は、現在、免震工事中である。スレンダーなこの建物も同様に耐震で問題があり、検討の結果、免震工事を行うことになった。残念ながら、1階のピロティ部分を直接見ることはできなかったが、外観、今回特別に入らせて戴いた2階のホール、そして一般の方も入れる低層棟の屋上から至近で見ることができた。
耐震改修中に、什器(家具類)の一部が東京で展示されている。森美術館の建築の日本展である。
以下のページに、香川県庁東館の家具類の詳細が載っているので紹介する。
https://ameblo.jp/art-masciclismo/entry-12380406880.html
次に示す2枚の写真は、ともにカワニシ氏からの提供である。確か21mm相当の広角レンズとのこと。
母校かつ以前の職場であった横浜国大のコンクリート研究室が夏合宿として香川を訪れることになった。主として香川県部分の段取りのお手伝いをさせていただいた。幹事の学生に合宿のテーマを聞いたところ、「原点回帰」との返事だったので、私なりに考えていくつか提案させてもらった。
夏合宿の大きなテーマは、古いもの新しいもの、コンクリートか否か、土木か否か、こだわらずに、良質のものをしっかり見て考える、というものであると思っている。望むべくは、単に受け身で参加して「面白かった」という「感動の消費」で終わることのないものであれば良い。そうなるかどうかはどちらかというと参加する側の姿勢にかかっているが、できるだけ前後に繋がるようなテーマ設定だったり、説明だったり、を考えてみた。
今年は、瀬戸大橋30年、明石海峡大橋20年という記念すべき年でもある。結果として、明石海峡大橋の主塔を見学してから、香川に入る行程となった。この部分は携わっていないのでノーコメントとする。ただ、原点というなら、瀬戸大橋が良かったし、大鳴門橋も建設年代という意味では突出している。今回2日目の最後に見た瀬戸大橋のモデル橋とのペアであれば、瀬戸大橋を是非、というのは今でも変わらない。
香川県の見学先の1つめとしては、デザイン知事と呼ばれた金子正則知事が推し進めた開かれた政治、開かれた公共建築、を体現した、旧香川県立体育館、香川県庁舎東館とした。建築分野の方からは、これもいいけど他にももっと良いものがある、とご指摘を受けるかもしれないが、まだまだ建築分野以外には世の中に知られていないこれらを見てもらいたかった。現代の公共建築の原点であると思う。
高松で2013年に丹下健三展が開かれたのをきっかけに私自身も相当に勉強していたつもりであったが、今回は建築家で「香川県立体育館保存の会」の会長をされているカワニシノリユキ氏に説明をお願いすることになった。私自身改めて別の人から話を聞くことで得ることもあったし、これらの場所では、私が少し離れた立場でコメントをすることもできたので、依頼して良かったと思っている。カワニシ氏には、翌日の見学にも参加してもらえることになり、色々と彼の考え方に触れることができた。
県立体育館は、2014年に耐震改修の入札が2度に渡り不調になり、それ以後使用がストップしている。丹下健三が設計した、世界でも有数の建築遺産であり、「ワールド・モニュメント財団」から「危機遺産」として認定されている。舟形の体育館であり、地元からは県立体育館よりも舟の体育館と呼ばれて親しまれていた。私が中学生の時には、バスケットボールの大会でよく舟の体育館を訪れていた。
清水建設が施工しているが、日本を代表するトップエンジニアのひとり渡辺泰充氏(元 清水建設)のお父様が同じ清水建設の渡辺泰臣工務課長としてこの工事に携わっている。渡辺泰充氏は、私の母校、高松高校の大先輩でもある。さらに、渡辺泰充氏のお嬢様が、横浜国立大学 土木工学科の先輩にあたる。親子3代にわたり、高松、横浜、コンクリートのキーワードで繋がっている。
構造に関しては、今年4月にカワニシ氏らが主催した写真展に詳しかったのであるが、まだまだ私の中では勉強不足であった。この部分は近いうちに補って、誰にも負けないような説明ができるようにしておきたい。1つ楽しい宿題ができた。
香川県庁東館は、現在、免震工事中である。スレンダーなこの建物も同様に耐震で問題があり、検討の結果、免震工事を行うことになった。残念ながら、1階のピロティ部分を直接見ることはできなかったが、外観、今回特別に入らせて戴いた2階のホール、そして一般の方も入れる低層棟の屋上から至近で見ることができた。
耐震改修中に、什器(家具類)の一部が東京で展示されている。森美術館の建築の日本展である。
以下のページに、香川県庁東館の家具類の詳細が載っているので紹介する。
https://ameblo.jp/art-masciclismo/entry-12380406880.html
次に示す2枚の写真は、ともにカワニシ氏からの提供である。確か21mm相当の広角レンズとのこと。
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