2018年5月2日水曜日

お気に入りの地図帳

私は地図マニアを自負している。中学校、高校では、日本地図センターか地図協会か忘れたが、その会報を定期購読していたし、国土地理院で働くことが夢だった。

地図帳、というと中学校や高校での副教材として買わされた、古くさいイメージがあると思うが、そんなことはない。実は、色々と工夫された地図帳は出ている。ただし、そうでもない地図も多いので、どれでもよい訳ではない。

という話題を過去のブログで書いた気もするのだが、今のブログを検索しても出てこなかったので、書いておく。急いでいてFacebookでさらっと紹介してというのが多く、それらは会員以外は読めないし、過去の記事は検索できないので、やはりブログに記しておくのは大事である。

昔に本屋で探しに探して見つけたのが、以下の日本地図帳である。

その本の何が凄いかを列挙する。

1) 日本全図が、全て同じ縮尺である。他の地図帳に多い、北海道が無理矢理に見開き2ページに押し込まれることがなく、大きさの比較ができる。別の見方で言うと、情報の密度が同じである。省略されていないのである。
2) 九州が目一杯に、四国が目一杯に拡大されていないので、別の地方との繋がりが自然である(今手元に無いので、ここに限っては、印象で記載)。例えば、九州と四国の相対的な位置関係を見ようとしても、多くの地図帳は、切り離されてしまっているので、理解しづらいのである。
3) 機械的に格子状に区切られているわけではないので、変なところで県が切断されることはないため、見たい情報は確保されている。よって、ある程度余裕を持ってオーバーラップする部分がある。この余裕が大事である。
4) なぜか建設中、建設予定の高速道路や新幹線の路線が破線で載っているので、土木屋としては有り難い。
5) 1)を別の角度で述べるだけであるが、よって、北海道が、全体が見渡せずに、数ページにわたって北海道のページが続く。北海道の情報が(縮小されされている他の地図帳と比べて)多いので、地図としての機能を保持している。

その凄さを写真で紹介したい。下記の通り、現在3冊を持っているので、それを組み合わせて、表現してみた。

 九州の情報量も多いし、九州のみのアップ、各県のアップなどになっていないので、繋がりがよくわかる。このオーバーラップ度をもったいないと感じるか、必要なこと、と捉えるかは人によるだろうが、私は必要と思う。
見開き6ページ分でも北海道の全容が見えない。北海道でかい!

縮尺が同じなので、四国と北海道を正確に比較することができる。

タイトルは、
 ベーシックアトラス日本地図帳(平凡社)(2006年10月)
 ベーシックアトラス日本地図帳 新版(平凡社)(2012年3月)
である。

青色表紙が初版(2006年10月)と思うがそれは所有しており、オレンジ色の改訂版(2012年3月)も所有している。

昨年、そろそろ改訂版は出ていないかと探したら、内容は一緒であるが、名前が変更になり、地図の周りに枠がついて、本の大きさもひとまわり大きくなったのが出ていたので、それが後継かと思い買った。

なお、枠については、上記の写真を見ると邪魔に感じるようにも思うが、どのページの地図に繋がるのか、という情報が枠に入っている。ただ、これは枠がない方にも入っている情報(地図に重なっている)なので、情報量としては余り大差はない。コピーをするなど二次利用を重視するには、良いかもしれない。ページ構成や地図の内容は、同じである。ただし、A4サイズに加えて、ひとまわり大きいので、本がデカイ!

 新版 プレミアム アトラス 日本地図帳(平凡社)(2014年5月)

(ここまでは、昔のブログや、2017年5月にフェイスブックで紹介した内容)

プレミアムというのはダサいネーミングのような気がするが、仕方がない。新版というのが気になった。第3版ではないのか、それとも、プレミアムの初版が別にあるのか? 実は、きちんと調べるとプレミアムは、初版が2008年11月、新版が2014年(上記)、第3版も2017年7月に出ていた。よって、明らかに別シリーズである。

そして今、調べると、プレミアムでない方の後継が出ていた。多分こちらが私が買い続けてきた初版の後継である。

ベーシックアトラス 日本地図帳 新訂第3版(2018年1月) (←amazonリンクあり)
(画像はamazonからの直リンク)

これは買わねば!

ちょっとマニアックな地図帳であるが、ネット地図で簡単に縮尺がいじれるようになったのがデフォルトの時代、固定縮尺というのは非常に価値があると考えている。

土木屋さんは特に、購入して欲しいと思う。価値はある。

マニアックな地図帳、スマホが普及した現在、もしかして今後廃刊になるかもしれない。お気に入りを支えるのは、買い支えるしかない。不自由していなくても、私は信頼する本は、新版が出る限り買い続けたい。1000円ちょっとというのも、得られる情報に比べると破格の安さだと思う。

初版は、現場調査、現場見学の度に、ボールペンで書き込みをしていた。私の記録帳でもある。

ベーシックの第2版までは所有しているので、今から注文する第3版は見ていないので、もし改悪されていたら、紹介するのが忍びないが、私の思いは伝わると思う。

1週間たって、このページに訂正記事が入らなければ、安心して購入してください。

追記:
フェイスブックでTさんから紹介いただいたものが面白いので紹介します。
「日本は小さい。北海道は大きい。」

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